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10時10分の回は、9時よりさらに客が多かった。
クッキーやナッツ担当を、美洋さん・未亜さんから、彩香さん・亜里砂さんに交代して。
ホットプレートにびっしりクッキーを並べて焼いて、ナッツも何回も煎って出して、体験の方もフル回転だ。
それでも、何とか20分過ぎにはピークを越えた気がした。
だから今度は、美洋さん・未亜さんの2人に休憩してもらう。
基本的な流れは、試食して、周りのボードを見て、体験コーナー、という感じ。
そしてやっと体験の方も空きが出始めて、一息ついた40分過ぎ。
「基本は、やはり美洋狙いなのだ」
小さい声で、亜里砂さんが僕と彩香さんに耳打ちした。
やっぱり、と僕は思う。
それくらいしか考えられない。
「未亜が、たまに冗談でお姫様なんて言っているけれど、冗談ではなく、そんな感じで思っているのも結構いるのだ。この辺は本人には内緒なのだ。本人は本当に嫌がっているのだ」
「大変だね、美洋さんも」
淡々と次の波に備えて準備しながら、そういう話をして。
11時ちょっと前には、美洋さん・未亜さんも帰ってきて、そして同じように30分までフル回転。
「何なら、全員のお昼を買ってきましょうか」
僕と川俣先輩が、休憩の番になった。
でもこのままでは皆さん、食事も取れそうにないような気がする。
お昼あたりも、混みそうな気がするし。
「そうだな。何を売っているか買えるかわからないし、適当に皆で食べられそうな感じに買って帰ろう」
そう先輩も言う訳で。
しかし出向いた売店は、パンとかは軒並み売れ切れ。
弁当も内容が今ひとつで、高いものしか残っていない。
「仕方ない。とりあえず、これで行くか」
スパゲティ2袋とサラダチキン2つ、刻みネギを買って。
そして、先輩は袋を僕に押し付ける。
「ちょっと寮に帰って、道具と材料を持ってくる。悠は学祭を一回りした後、準備室でチキンをとにかく刻みまくっておいてくれ」
そんな訳で。
売店の袋をぶら下げて、ささっと料理研究会や写真部を回って。
準備室に戻って、言われた通りサラダチキンを包丁で刻んでおく。
余りに何も食べるものがなかったので、スパゲティで簡単な昼食を作るのだろう。
スパゲティなら、ある程度適当に味付けすれば美味しく食べられるし。
鶏を刻み終わったところで、先輩がやって来た。
でっかい鍋と、その中に調味料等を入れてきている。
「それで悠、済まないが、ちょっと彩香にこっちに来てもらってくれ。あいつの魔法が一番手っ取り早い」
彩香さんは冷凍・冷却系の魔法が得意だけれど、熱い方の魔法も使える。
お湯を沸かすのは、ヤカンや電気ポットより遥かに早い。
そんな訳で、僕は彩香さんと場所交代。
僕は彩香さんに代わって、ミックスナッツやお茶を担当していると。
「ごめんね。ちょっとクルミの中身を、いくつか持って来てって、先輩が」
そう言って、彩香さんがミックスナッツからクルミを拾って持って行った。
そろそろ出来るのかな。