テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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３分間のロングバケーション

第16話 - 第16話　偽りの恋人

2024年07月05日

#ファンタジー

#異世界転生

#バトルロイヤル

土橋真二郎

「女子たちは全力で走る必要がある」
「愛沢さんは無理に走る必要はないよ」
　巻木は昼下がりの教会の墓標の前に立っていた。
　簡素な木製の十字架を立たせただけの墓標で、四人の犠牲者を祀っている。
　もうクラスメイトは祈らない。死から目を逸らすことを選択した。
　そうしないとクラスという枠は維持できない。
「君はわかってないよ。私だって日常では走ってた」
「だから宝石を持ち帰ろうと？」
「そう。たとえば『美の宝石』が現実で効果を発揮するのだとしたら走る必要がなくなる」
　巻木の隣で墓標を見つめているのは愛沢ナナだ。
　強い力を持つ女子は警戒されるが、彼女のギフトは天気予報。
　常にクラスの中心で輝いていた愛沢ナナは、クラスカーストという階段を転げ落ちた。
「持ってる愛沢さんはジョギングでオーケーじゃ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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