ヒプノシスマイク
観音坂独歩×伊弉冉一二三
年齢操作
未来
ヒプノシスマイクがありません。
『閉じめられてんの?』
少年は掠れた声で言った
『…お、おれっち。あ、俺がわるぃから』
『ほっておぃて。どぅせ助けがこなぃんだから、』
『…じゃ、俺がお前の1番最初の助けてくれたやつになってやるよ』
『…え』
『聞こえなかったのか?助けてやるっつってんだよ』
『そんな人これまで居なかったんだ!希望を持たせなぃ、で!』
今出せる声を出し切ったような顔をしてこちらを見つめる
『助けなんかいらないよ。もう』
そう残して狭い部屋のドアの方に向かった。
『はぁ、ならいいけど』
俺はそう残して無駄に広い宮殿から出ていった。
『あいつ、面白くないなぁ。』
そう、今は2058年。第三次世界大戦なんてとっくの前に終わり、天皇が力を付け言の葉党に政権を返させた。それから新政府がヒプノシスマイクの回収へ向かい、日本からはヒプノシスマイクはあっさり消えて。その後まさかの政府が近代技術で魔法を作り出したし、その魔法は政府が売り出した。税金が安くなったのもそのお陰かもしれない。その『魔法』とやらはヒプノシスマイク同様一人一人のスキルがあるらしく、磨けば磨くほど魔法の力は強くなるそうだ。もろヒプノシスマイクじゃないか。政府も天皇のお気に入りだからと色々やりすぎだろう。まあ、俺のところは財閥、というやつらしく即購入し事業に役立てていた。一応俺も持たされているのだが、俺のはマイクロチップで人体に埋め込む型なのだ。まあ他に時計やメガネ等色々あるのだが、俺の一家は何故だか物騒で戦闘中にマイクロチップにしたそうだ。ま、あのイキリの所は見せびらかしてたな、俺の家の傘下の癖に。あぁそう言えばあの俺っちだの俺だの一人称不安定ボソボソ野郎(ひどい)もあいつの所だったな。面白くねぇの。
どう転んでも俺はあいつを保護する義務はねぇし…んー、ま、いいっか。
『ただいま』
『おかえり、独歩。』
どこからどう見ても怖い顔をした父親がこちらを見て言う。
『独歩?お前どこ行ってた?』
弟だ。まあ5つしか違わないが、生意気な奴だな。
5つ下、ということは18か。現役DKだな。
『あーあー、お前はどうでもいい。父さん、話があるんだけど』
『…談話室で話そうか』
『あぁ。あ、ありがとう』
入って右にある談話室に向かった。
『なんだ?何があった』
『伊弉冉の所だよ。伊弉冉。』
父は何か分かったような顔をして
『あぁ、”伊弉冉の隠し娘”か。』
『そう、伊弉冉の隠し娘。』
伊弉冉の隠し娘とは、伊弉冉家の伝統なのだ。出来損ないの娘を公にするのは伊弉冉家としての恥だからと隠し閉じ込める。昔観音坂もやっていたが、新憲法に則り10数年前に辞めた。
伊弉冉家もちょくちょく注意されているがあいつらは頑固なのだ。家の風習と言い辞めない。
『それで、お前は何をしたい』
『助けたい…んだけど』
今日初めて会ったやつを助けたいだなんて馬鹿げでいると自分でも思うけど、父をじっと見つめる。
『まぁいい。こちらのグループの傘下だからな。あまりここの治安が悪くなるとこちらのイメージも下がる』
伊弉冉にはここ、セタガヤディビジョンを任せている。
ヒプノシスマイクは廃止されたが、ディビジョンは廃止されなかったのだ。
今度は魔法での戦い。結局皆戦いたいんじゃないか。
『うん、よろしく』
『…お前、ちゃんと継ぐ気はあるのか』
『無いけど。難しい話苦手だし。コミュ力無いし』
『今はまだそれでいい。作家を目指しているのだろう。25までそれに尽くせ』
これでも優しい父のことだ。本当に25まで待ってくれるのだろう。
『あぁ、分かってるよ。』
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