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目「はぁ…はぁ、」
建物内を探してるけど、一向に阿部ちゃんが見つからない。そう遠くへは行ってないはずなのに。
目「阿部ちゃん…、」
色んな部屋を開けて回りながら必死に阿部ちゃんを探す。
そしたら、たまたますれ違ったスタッフさんの話が聞こえた。
スタッフ1「最近、SnowManのTV出演減ってるらしいよ。」
スタッフ2「私の同期がさ、SnowMan担当なんだけど、やっぱり阿部さんの報道があってから少しずつ減ってるんだって。」
スタッフ1「阿部さんには悪いけどさ、正直迷惑なんじゃない?」
スタッフ2「いや、それな。」
心無い言葉達だった。俺達メンバーはそんな事思ってないのに。憶測だけで決めつけるなんて。確かに、仕事は減ってるかもしれない。…でも、俺達は仕事よりメンバーの方が大切で、皆で支え合ってここまでやってきたから。だから、
目「やめて下さい。」
スタッフ1「え?」
スタッフ2「目黒さん?」
目「阿部ちゃんの事、そんな風に言わないで下さい。事実かもしれない、でも、俺達は、メンバーが大切で、誰1人欠けちゃいけないんです。9人揃って初めて、SnowManなんです。」
スタッフ1「…、」
スタッフ2「…すみません、」
目「分かってくれるなら、良いんです。」
スタッフ1「あの報道は、本当なんですか。」
目「分からない。けど、少なくとも、俺達は阿部ちゃんがあんな事する人だとは思わない、です。」
スタッフ1「実は、阿部さんがあの女優さんに告白される所、見たんです。…だから、何かあの後何かあって…って思ってました。これも、私の憶測ですよね。」
目「本当の事は阿部ちゃんにしか分かりません。でも俺は、阿部ちゃんを信じたい。メンバーで、そして、…俺の大切な人だから。」
スタッフ2「…そうなんですか、」
目「今、阿部ちゃんを探してて。見てませんか?」
スタッフ1「さっきすれ違いましたよ。」
スタッフ2「屋上の方に向かってました。」
目「屋上…、ありがとうございます!」
建物の屋上に向かって走った。ただ阿部ちゃんの事だけを思って。疲れても、息が切れても、今はただ、走り続けた。
…
目「阿部ちゃん!」
屋上の扉を勢いよく開けて、探している大切な人の名前を叫ぶ。
視界の先には、涙で顔をぐっしゃぐしゃに濡らした、阿部ちゃんが、柵に寄りかかっていた。
…
―阿side―
岩「じゃあ10分休憩ね!」
ありがたい。正直最近、体力が落ちてきてて、俺もキツかったから。
何となく1人で居たくて、静かにレッスン室を出た。廊下を1人で歩いてたら、聞こえたんだ。
スタッフ1「SnowMan仕事減ってるんだって。」
スタッフ2「まぁあんな報道あったしね。」
スタッフ1「阿部さん、どうなのかな。本当だったらめっちゃ怖くない?」
スタッフ2「それな、」
スタッフ1「活動休止とかしないのかな。迷惑だ、って分かんないのかな。」
スタッフ2「ちょっと、言い過ぎ…!」
スタッフ1「良いじゃん、事実なんだし。」
スタッフ2「それはそうだけど…笑、」
阿「ッ…、」
メンバーの事は信じてる。そんな事、思ってなくて、俺の事、信じてくれてる、って。
…でも、駄目なんだ。どうしても全てが敵に見えて、苦しいの。誰も心から信じれなくて、こんな自分が嫌いで。良い事なんて、1つも無いんだ。
気付いたら、泣きながら御手洗で、自分の腕を傷付けていた。
阿「痛ッ…く、ない…、」
もう痛みなんて感じない。この程度の傷じゃ。もっと…、もっと。
いつもより深く傷付けたせいで、血が止まらなかった。必死に水で洗って、バレないように流して、包帯を巻いた。血痕が残ってるなんて、気付かなかった。
包帯に血が滲んで、このままじゃ部屋には戻れないし、何となく歩いてみた。いつの間にか屋上に来ていて、柵から外を眺めていた。
阿「あーあ、これからどうしよ…、」
今までこの仕事を一生懸命続けてきた。ファンの皆さんに笑顔や希望を与えたくて、頑張ってきた。でも…、このままアイドルを続けていても、苦しいだけなのかもしれない。
阿「天性の役職だと思ってたのになぁ…泣、」
ぼろぼろと涙が溢れて、止まらなかった。泣いても何も変わらないのに。
柵に寄りかかって、ただひたすらに泣いた。
…
目「阿部ちゃん!」
急に扉が開いて、俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。声のする方を見ると、めめが折角イケメンな顔が台無しになるくらいの汗をかいて、こちらに走ってきた。
視界が急に暗くなったと思ったら、めめの胸の中だった。めめに、抱き締められていた。
目「阿部ちゃん…ッ、」
めめからのハグは力強くて、暖かかった。そういえば前もこんな事あったな、とか思って、いつも1番に助けてくれるのはめめだ、って。そう気付いた時には、安心感に包まれていた。
…
―目side―
やっと、見つけた。
もうこれ以上、1人で抱え込まないで。俺、阿部ちゃんの為なら何でもするから。俺に、守らせてよ。
目「阿部ちゃん…ッ、」
阿部ちゃんを思いっきり抱き締めた。阿部ちゃんは弱いんじゃない、ただ、人に頼るのがちょっぴり苦手なだけだもんね。だからね、俺はそれに寄り添いたいんだよ。
もう休憩時間なんてとっくに終わってるだろう。皆心配してるかもな。…でも今はごめんなさい。阿部ちゃんの、傍に居させて。
目「阿部ちゃん、全部話して。もう、1人で抱え込まないで。こんなに辛そうなあべちゃん、見たくない。」
阿「…ッ泣、」
阿部ちゃんは、全部話してくれた。スタッフさんの会話を聞く度に苦しかった事、SnowManの仕事が減っていっているのが自分のせいだ、って分かってる事。
そして、ファンレターに書かれていた心無い言葉や動画によって追い込まれていた事。
目「阿部ちゃん、腕。」
阿「ッ、」
目「腕、見せて。もう気付いてるから。」
阿部ちゃんはゆっくり袖を捲った。それは想像よりも酷いもので、乱雑に巻かれた包帯には血が滲んでいた。
阿「何で…、」
目「さっき御手洗で切ったでしょ。」
阿「…、」
目「血、付いてたの。何か嫌な予感してさ。」
阿「…、」
目「ごめん。」
阿「…え?」
目「こんなになるまで、助けてあげられなくてごめん。もっと早く行動してれば良かった。ずっと、阿部ちゃんが追い込まれてる、って、気付いてたのに。」
阿「めめは…悪くないでしょ?俺が…、俺が。」
目「阿部ちゃんも悪くないでしょ?もう1人じゃない。阿部ちゃんは、俺に話してくれたじゃん。これからは、皆で考えよう?だからさ、もう、こんな事、しないで、ね?」
阿「…うん、…ごめん泣、」
目「戻ろう。皆の所に。全部話して、皆でどうにかしようよ。俺達、メンバーでしょ?」
阿「…めめ、」
目「ん?」
阿「ありがとう。」
目「ううん。阿部ちゃんを、助けられて、良かった。」
阿「後さ、」
目「…?」
阿「…おんぶ、して…?」
目「ッッ///、」
阿「ごめん、歩きすぎて、足、痛くて…。」
今はこんな事考えてる場合じゃないのは分かってるけど…!
…可愛すぎるでしょ。
阿「めめ?」
目「あぁ、ごめん。良いよ。」
阿部ちゃんをおんぶして部屋に戻った。
コメント
2件

あー柵越えてなくて良かった。 はっきり解らないまま憶測でいろいろ言うスタッフも…💢 最後の一言にちょっとだけホッとした 🖤の心の一言も
うわあ…第5話、すごく胸に来ました。スタッフの無神経な言葉とか、阿部ちゃんが一人で傷つけてしまうシーン、読んでて苦しかったです。でも目黒くんが屋上まで走って探しに行って、「もう一人で抱え込まないで」って伝えたところ、本当に温かくて涙が出そうになりました。二人の距離がぐっと縮まった感じがして、続きがすごく気になります。おんぶのやり取りも可愛くて、切ない中にほっこりしました。
はげたまご
40
#ご本人様には関係ありません
るる

327
39
蒼❄️
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