テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
事務所の駐車場に一台の車が滑り込んで来る
中にいるのは、関係者らしきスーツの男と宮舘涼太…
2人は空いているスペースに車を停めると…車外に出て、スーツの男が宮舘に向き直る
「すいません…少しだけ楽屋で待っていてもらえますか?」
地方ロケに向かう前に、マネジャーと2人で一度事務所に立ち寄った
ここで持っていく物があるらしく…それを準備するまでの間、待機を言い渡され楽屋に向かう
「おはようございます〜」
とりあえず、挨拶をして中に入ると…そこにいたのは目黒と翔太
「舘さん、おはようございます」
宮舘に気付いた目黒が声を掛けて来た
「あぁ…おはよう」
最近あんな事があったばかりなのに…全く気にしていない様に見える目黒と、微かに躊躇う宮舘
まさか、このメンバーで鉢合わせとは…変な事にならなければ良いが…
「翔太、おはよう」
「おはよう…」
「?」
何となく元気がない様に感じられて、不思議に思っていると
「ねぇ翔太君、大丈夫?」
目黒も気付いていた様で声を掛けている
「ん?何が…」
渡辺は無理に笑ってはぐらかすが
誤魔化し切れていると思っているのは自分だけ…
「心配事だったら、相談乗るよ…。何かあるなら言ってみてよ…」
翔太に好意のある目黒は、気が気ではない
自分も同じだから良く分かる…宮舘は小さく何度も頷いた
「何でもないって…」
「翔太君…」
仔犬のように眉を下げ、心配そうに見つめられて…参りましたと観念した
「………ん〜もぉ〜だったら、ちょっと相談に乗って欲しい…かな…。ちょっと、ここでは言えないんだけど…」
こんな誰が入って来るか分からない場所で、プライベートな話など出来る訳もなく…
「相談?勿論良いよ。今日撮影夕方までだから、良かったら俺の家泊まりに来てよ」
「泊まり…?ん〜…分かった」
ちゃんと話を聞いてもらうには、その方が良いのかも知れない…
目黒に危機感を感じていない渡辺は、素直にその提案を受け入れた
「……!」
【泊まり】の言葉を聞き、今度は宮舘が焦り出す…
やっぱり【諦めろ】と伝えるべきだったのか…?
今だに積極的な目黒の姿に
「あっ…あの、翔……」
声を掛けようと口を開くと
「宮舘君、お待たせ〜」
タイミング悪く、マネジャーが顔を出し…俺は楽屋を後にした
コメント
7件

おその★さんが、見つかり始めている…!