「おじゃましま〜す」
「はい、ど〜ぞ」
最近、来たばかりの目黒の家…
とりあえず、ちょこんと頭を下げて中に入ると…苦笑いした目黒が、部屋の中に入るように勧めてくれた
「とりあえず、何か飲む?少しなら、お酒もあるし…え〜と、ビールとウイスキー…後はねぇ…」
家にある酒の種類を思い出した順に言っていく
こんな時は、飲んだ方がスムーズに話せるなんて事も…よくある話
「ん〜今は、お茶で良いかな…あっ…ごめん、手伝うよ」
飲み物を取りに行った目黒に着いて行こうとすると、1人で大丈夫だからと止められて大人しく待つ
「お茶、ペットボトルのしかなくて…」
そう言って渡されたお茶は、冷蔵庫に入っていたのか良く冷えていた
「………」
「はぁ〜それで、どうする?飯食べながらにしようか?」
しばらく雑談をしながら、ほっこりとおうちタイムを楽しんで
そろそろ腹が減って来たと本題に入る…
「簡単なのなら今からでも作れるし…。昨日作って寝かせてあるカレーなら、2人分あったと思う…」
「お前…忙しいのに、よくカレーなんて作れるなぁ…」
うちのグループでも、目黒は1番の稼ぎ頭
そんな彼に、料理を作る余裕なんて…
「えっ、簡単だよ。野菜と肉切って煮込むだけだし…」
そんな事を言ってしまえば、大体の煮込み料理がそうだろうと渡辺は思う…
おそらくは、その人間の考え方の問題なのだ
「ん〜じゃあカレー食いたい」
「了解」
今度こそ、手伝おうと着いて行くが…温めて盛り付けるだけだからと止められる
「は〜い…」
不満そうな渡辺は、大人しく座ってソファーを温めていた
◇◆◇◆
「えっ…岩本君と喧嘩したの?」
カレーを頬張りながら目黒が渡辺に聞いてくる
「お前っ…まず引っかかったの、そこ?」
自分達が付き合っているのだと、緊張しながら告白したと言うのに…想像と違う反応に困惑する
「あぁ…ごめん。あの、それは聞いて知ってたし…」
「はぁ!誰から!」
今度は渡辺が驚く番だった…
カレーのスプーンを乱暴に置き、目黒に迫る様に尋問を開始する
「えぇ〜と…それはその…」
言っては駄目だったのかと今更気づく…しかし、言ってから後悔しても既に遅い
「え〜と…その…岩本君から…」
ついに根負けして、本当の事を話してしまう
「照のやつ…誰にも言うなって言ったのに…」
眉間に皺を寄せ、何かブツブツと言い出した…
「でもさ、ほら…悪い事じゃないし…ねっ」
何故か岩本を庇う様な物言いになり、目黒はジロリと睨まれた
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