あてんしょん
天使tnと、悪魔grで tn×gr です
死ネタ
腐ってるよ
地雷の方はすぐ逃げて
それでもいい方は、どうぞ
なあ、知っとる?天使と悪魔って、恋したらダメなんやで?いや、当たり前か。
別に、心のなかでアイツ好きやなあとか思うのは全然大丈夫なんやけど、行動に移すのがどうも神様の逆鱗に触れるらしくてな。
で、何で今俺がこんな話をしてるかって?
そんなの単純。天使である俺が、とある悪魔に恋心をいだいてしまったからや。しかもその悪魔、大悪魔のお気に入り。悪魔界でも高名な、すごい悪魔らしい。あ、ちなみに俺も結構天使界では有名っていうか、力持ってるんやで。
俺らがただの天使と悪魔なら、もうちょっと簡単にことが進んだのに、と思う。
アイツが現世に降りたタイミングで、俺も現世に降りて、アイツに手を出せば、一発解決。なんやけど、お互いかなりの上級役職だから、現世に降りるなんてことまずない。はあ〜、とことん恵まれてへんわ。恋愛運カスか?
アイツのことを頭に思い浮かべながら仕事をすること早10年。仲間たちにさんざん冷やかされながらも、とうとうアイツが現世へ行くタイミングを知ることができた。
tn「おっしゃあああ!」
やっとですよ。やっと、あの悪魔に思いを伝えられる。10年待った甲斐があったわ。
ちなみに、天使は神様に許可をいただけば、各々好きなタイミングで現世に行けるので、別にそこは懸念点ではなかったのが救いやな。
アイツの少し後ろで、地上に降りる。すぐさま翼をたたみ、人に変化する。俺が現世に降りるときは、いつもこの黒髪にメガネの赤いマフラーをした軍人の格好だ。
そして、お目当てのアイツも、同じく軍人に変化する。やや硬質な金髪と、白い肌に紅い目が美しい。
でも流石は権力のある悪魔。現世に降りてから、一度も護衛の悪魔を外さない。街を歩く時も、寝泊まりする時も、旅をする時も。それに、後ろからついてくるやつがいないかとかも細かくチェックするから、俺は一々動物や別の人に変化しなければならなかった。面倒かけさせやがって…。
やっと、彼が一人になった。現世に降りてから一ヶ月も経っている。彼は、古い城の城門を一人でくぐっていった。しかも護衛は一人もいない。これで、人目につかないところで彼に思いを打ち明けられる。
音を立てないように翼を広げて、城の塔から中に入った。
その城は、小さいものの内装が凝っており、戦闘用の城ではなかったことがうかがえる。塔から下に降りるらせん階段をひたすらに下ると、大きな部屋に出た。もともとはここに赤いカーペットが敷いてあり、豪華な絵画や宝石があったのだろう、と勝手に想像する。
ほどなくして、お目当ての彼もこの部屋に入ってきた。
彼は俺の姿を見ると、驚きを隠せないようで目を見開いたまましばらく動かなかった。が、それもほんの一瞬で、すぐさま呪文を唱え俺を殺そうとする。まあでも、俺もこう見えて天使だ。悪魔の魔法なんてかすり傷にもならない。魔法が効かないことが分かり、完全に動揺を隠せない彼に、俺は落ち着いた足取りで歩み寄る。
tn「なあ、あんた。なんで、俺が人間だと思ってるんですか、grさん?w」
gr「…っ、お前、天使か…?なぜ俺の名前を知っている」
tn「そうですよ〜、天使ですよ?まあ、もうすぐ堕天しますけど」
gr「は?」
理解できてないようだ。うん、まあそりゃそうだろうな。
tn「あんた、護衛外しちゃだめやで?誰が狙っとるかわからんのに」
gr「ちょ、待て!も、もうすぐ堕天するってどういうことだ!?」
tn「うるさい」
彼の言葉を遮り、彼の唇に自分の唇を重ねる。そのまま口内に舌を入れて、かき回せば、彼は高貴な悪魔とは思えないようなとろけた表情を浮かべる。
そっと唇を離すと、銀の橋が間にかかり、すぐに、ぷつん、と切れた。
gr「はっ、はあ、はあ…///」
tn「悪魔は悪魔でも、淫魔ですか〜?w ええ顔するやないですか」
gr「ちっ、ちがう!でも、お前、こんなことしたら!」
tn「……うん。もう遅いやろな」
そういった瞬間、全身に激痛が走る。あまりの痛みに耐えられなくなり、その場に倒れるようにしゃがみ込む。歯を食いしばって叫び声を抑えるが、涙が無意識にこぼれ出る。視界がぐるぐるとして、モザイクがかかったようになる。とにかく痛いし気持ち悪い。辛い。
背中のあたりから、血が流れ出る感覚がする。周りにはばらばらと、血に染まった俺の翼だったものが散乱している。
口から血が出る。それは垂れて石の床を走る。愛する彼の足元までその血は進み、彼のブーツにぶつかって止まった。
もう、無理だ。気絶する。体を支えることもできなくなり、床に倒れる。石の床のひんやりとした感触が心地良い。
そう思っていると、頭に何か暖かいものが触れる。そして、体が持ち上がる感覚。
必死に見上げると、悪魔である彼が、泣きながら俺の体を支えていた。その手も服も血まみれだったが、彼は全く気に留めず、ひたすらに俺の方を見て、何か言葉を発していた。その事実を目の当たりにした俺は、動かない口で届かないだろうと思いつつも、言葉を発した。
tn「幸せやなぁ」
***
俺に手を出してしまった彼は、堕天どころじゃ済まなかったようだ。あのまま翼をもがれて彼は死んでしまった。
彼の亡骸を抱えて城の門を出て、近くの山を登った。山頂には、美しい花畑。そこに土を掘って、彼を埋めた。
それですぐに山を下ればよかったのに、何を思ったか俺は、近くの岩を手に取り、それをそのまま自分の頭にぶつけて、頭蓋骨を砕いた。さらに、自分の角と翼を持っていた剣で切り落とした。花畑はあっという間に血の海となった。
あの口づけをされた瞬間、俺は彼のことを愛していると、確信してしまった。前々から気になってはいたのだが…。いつ知り合ったのか、覚えていない。でも、彼に出会いたい一心で、わざわざ護衛を外して誰もいない城へと足を踏み入れた。
忘れていた大事なピースがすっとはまる。
gr「tn氏、今、いくから…」
そうだ、彼の名前は、tnと言ったな。
「早くしなさいって。tnくん待たせてるわよ?」
gr「ちょっと待ってよ母さん!忙しいんや!」
「なんで昨日の内に準備しとかなかったの!」
gr「眠かったんやもん。おーい、tn氏〜!!遅れてごめんなんだゾ〜!」
tn「あ、おはよ〜。さっさと行くぞ。今日水やり当番やろ?」
gr「はーい、母さん行ってきまーす」
tn「おばさん、毎日ありがとうございます。行ってきまーす」
gr「今日は快晴だな!」
tn「せやな〜、放課後山の上の花畑でも見に行くか!」
gr「ええやんそれ!」
tn「でも前grさんずっこけて崖から落ちたからな。気をつけろよ」
gr「流石にもう大丈夫だと思う…」
tn「あははw」
gr「何笑っとんねんw」
2人の少年は、手をつなぎ、今はないはずの翼で空を進むように、軽やかに彼らの道を進んでいた。
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こんにちは、てってれーです。
基本悪魔が攻めで天使が受けだけども、逆でもいい感じじゃない?って思ってしまった結果です。
死亡からの転生からのハッピーエンド。神様ナイス。
それはさておき語彙力が欲しいですね…。
それでは、さようなら〜
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