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あてんしょん
kn×ut knさんが人狼
よくわからん産物。
それでもいい方はどうぞ
東の森には人狼がいる。夜になると人を喰らう恐ろしい人狼が。だから、決して東の森に立ち入ってはいけないよ。たちまち喰われて帰って来れなくなってしまうから…。
というのが僕の元々住んでた村の伝承。これは半分嘘、半分ホント。
なんで知ってるかって?だって、僕、人狼の恋人だもん。その人狼の名前はkn。物語に出てくる王子様のような顔立ちだが、服装はだいぶラフ。普通の人と変わらない。そして昼間は基本的に狼というよりかは小型犬。具体的に言えばチワワみたいな感じ。
僕達の馴れ初めは長くなるから割愛するけど、ざっくり言えば借金取りに追われて東の森に逃げ込んだ僕をknが助けてくれたところから。
一緒にknの家で暮らし始めてからは、何度か夜喰われそうになったけど意外に安全に、平和に、そして幸せにやっていけている。意外にもknは知能のあるタイプの人狼だ。下手したら僕より頭が良い。家に何十冊も難しい本があって、暇な時はそれを読んでいる。普段とのギャップで軽く死ねる。
kn「おーい、大先生〜」
ut「なぁにぃ〜?」
kn「あのさ、村に買い物してくるなら頼みたいものがあんねんけど」
ut「はいはい」
kn「なんか食器お願い」
ut「え〜、高いよ〜?」
kn「金ならあるから」
ut「わかった」
knと僕の食べるものはあまりにも違いすぎて、僕は普段の食料を村で調達している。森にあるのは木の実とか果実とかだけで、流石にカロリーが足りない。ついでに村に出れないknのために市場で生肉か何かを買っている。人狼は肉だったらなんでもいいらしい。すごいな。
kn「気いつけぇや、いってらっしゃーい」
ut「うん、いってきまーす」
いつも出かける時は彼とハイタッチを交わすのだが、人狼はデカい。手がぷるぷるする…。
食器、かぁ…。最近洗い物中に割れたんだよな。あれと同じくらいの大きさのいい感じの食器あるかな。
僕は村では人狼に堕ちたクソ野郎という認識らしい。顔を見せることは自殺行為になるため、昔knが村に出る時使っていたフードをそのまま使わせてもらっている。これはすっぽり顔と髪を隠せるだけでなく、装飾も簡素ながら美しいので怪しむ人も少ない。
いつも通り森の端から村に出て、村の中央に向かう。
あとは食べ物と食器を買うだけだ。
ut「ふぅ、疲れた…」
今日は人の流れが多い。普段人などいない場所に住んでる僕にとって、これはかなりの苦痛だった。
買いたいものは買えたのだ。少し休んでからさっさと帰ろう。
広場のベンチにそっと腰掛け、そのまま景色を見続けること10分。そろそろ疲れも癒えたので、立ち上がって森へと歩き始めた。
しかし、とんでもないことが起こった。
人にぶつかった拍子にフードが脱げて、その人に顔を見られてしまった。しかも、その人は僕のことをよく知っている村人…。
観光客とかなら良かったものを、よりによって村人に見つかるなんて…!
「裏切り者だ!!!」
その人がそう叫ぶやいなや、近くの家や店から、武器を持った人間たちがわらわらと出てきて僕に向かってきた。
ut「ぎゃあああ!!!」
僕は必死に走った。森まで入れば大丈夫。アイツらは追ってこれない。市場の人混みに紛れながら、上手いこと奴らを撒けることを願って逃げる。
でも、騒ぎを聞きつけた人たちが次から次に市場を離れていき、代わりに武器を持った人々がやって来る。
どれくらい走ったかもわからない。こんなに走ったことはないもんだから、呼吸ができなくなって、目の前がチカチカして、本当にヤバい。
後ろで銃の音すらする。これではknに助けに来てもらっても、僕たち2人で銃の餌食になるだけだ。
しかも、今は昼間!!
昼間、人狼はただの人間だ。つまり抵抗する手段がない。
何回も転んで、その度に捕まりそうになってもすぐ立って、自分が何をしてるかもわからなくなって、それでも目の前の森を目指して走って。
叫び声が遠くなるのは、僕の耳が壊れたのか、上手いこと逃げ切れたのか。それとも殺されたのか。
気付けば、そこはknの家だった。
傷は丁寧に処置されており、僕は柔らかいベッドの上に優しく寝かされていた。
ut「ぁ、」
声を出そうとしても喉が枯れて声が出ない。
でも、僕が目覚めたらすぐにknはやってきて、僕に抱きついてきた。
ut「どうしたん…w」
kn「良かった…、ほんっとうに良かった…」
ut「ごめんなぁ、ガバッたわ…w」
kn「笑い事ちゃうわ…、ボケ。こんなにボロボロになって…、お前が家の前に来た時、呼吸すら安定してなくて、血まみれで」
ut「そっか、そうやったんや…」
kn「バレたのか?」
ut「うん、もう村にはいけないや…」
kn「……」
ut「でも、ほら、頼まれてた食器、ちゃんと割らずに持ってきたで」
kn「……、」
黙って下を向いているが、多分涙をこらえているのだろう。耳がしゅん、となっている。分かりやすい。
ut「泣くなよ…w、僕は無事だったんだから」
kn「もう、こんなことやめてやぁ…、怖いよ…(グスッ)」
ut「うん、ごめんね」
kn「はぁ…、おい、ut」
え、どした?さっきとは打って変わって怒りが声ににじみ出ている。
ut「えっ、何」
kn「……」
knは僕の問いには答えず、僕を持ち上げる。
ut「ちょっ、降ろしてや!!」
kn「軽っ、食ってる?」
ut「食ってるから!!どしたん!」
kn「うーん?」
そのまま僕の顔は彼の目の前に持っていかれる。
あ、喰われる…。
knは鋭い犬歯で僕の首を噛む。
ut「い゙ッ〜、!?//」
ジュゥ~ッと血が吸われる音がする。コイツに喰われると、何か頭ボーっとして体熱くなる。不思議だ…。
そっと、歯が首から離れる。
ut「ぅんっ、はぁっ、い、痛い、よぉ」
kn「泣いとるやん」
ut「お前が噛むから…」
kn「ふーん…?」
ut「…、絶対ろくなこと考えてへんやろ…」
kn「な、ut、ヤりたい。今のお前可愛すぎてムラムラしてきた」
ut「ほらな!!!」
kn「ろくなことやん!」
ut「僕の負担考えろこのチワワ!!」
kn「だって、お前結局堕ちてノリノリやんけ!翌日体痛いの自分のせいやろ!!」
ut「事実陳列罪やでそれ、はい死刑〜」
kn「事実って認めちゃうんや…」
ut「…………、アッ」
『東の森の人狼は人間と結婚して幸せに暮らし続けましたとさ、めでたし、めでたし』
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こんにちは、てってれーです。
knさんこれじゃ吸血鬼とやってること変わらないんですけど…、設定としては本当は人肉が一番栄養価高いから食べたいけど、utくんが大切な恋人なので肉を抉るようなことはせず、血で満足してる、といった感じです。knさんが喰う時は、お仕置き目的とかマーキングとか、甘えたい時とか。
相棒はやっぱり良いですね…、
それでは、さようなら〜