前回の続きより
大介Side
スタジオに突如現れた怪物。共演者さんやスタッフさんは逃げたはずなのに、怪物の近くに人影を見つけた。怪物の近くに立てるのは、敵の組織のやつしかいない……
攻撃のために高く飛び上がっていた俺は、スタッと着地して防御姿勢に入る。すると、人影はゆっくりと怪物の前に出てきた。
「……よく気づきましたね。姿を消していたのにも関わらず」
アニメに出てくる男爵のような格好をし、手にステッキを持った男がそう言った。場違いな服装、余裕気のある表情、怪物も見えており攻撃もされない……
🩷「……お前、敵の組織のやつだな」
「ええ。お初にお目にかかります、ワタクシはフリーズと申します」
🩷(やっぱりか……)
丁寧にお辞儀をした後、男はニヤリと不気味な笑顔を浮かべた。背筋がゾクリとする感覚……こいつはきっと、ただ者じゃない。
「闇の四人衆と呼ばれるワタクシがわざわざ来たのにも関わらず……お目当ての方はいらっしゃらないようで」
🩷「四人衆?それに……お目当て?」
敵の組織に四人衆がいることも初耳だが、今はそれよりも「お目当ての方」という単語の方が気になった。こいつに会わせてはいけない人が……8人の中にいる。
「ええ。ワタクシが狙うのはただ1人のみ。貴方に用はありません」
男から感じるおどろおどろしい闇の気配で、俺はジリジリと足ずさりする。俺1人だと危険だが、あべちゃんたちに危害が加わるようなことはなるべくしたくない。俺がある程度強さを確かめてから……
あべちゃんたちに、来るのは待ってほしいとテレパシーを使って伝達しようとしたその時。
💚「佐久間!!」🧡「さっくん!!」
2人が、来てしまった。
🩷「あべちゃん、こーじ……!」
🧡「何コレ?!怪物と男の人がおるけど……どういう状況なん?!」
こーじの質問に答えるよりも、安心感と同時に訪れた嫌な気配の方が気になって仕方なかった。これはもしかして……
やつの顔を見ると、その目は黒い輝きに満ちていた。
🩷「しまった……!あべちゃん、こーじ、俺のことはいいから、ここから逃げ……」
俺が言い終わる前に、男が動く。シュッ!と俺たちの間を黒いものが通り抜けていき、俺たちは息をのむ。
「ああ……外してしまいましたね」
不敵な笑みを浮かべ、そう言うフリーズ。その手にあるステッキから放たれる黒い針。
「次は外しませんよ……」
大人しかった怪物も、再び動き出そうとしている。俺があいつについて説明しなくても、ある程度の状況は分かってくれたみたいだ。
🩷「こいつ、メンバーの誰か1人を狙って来たみたいなんだけど、たぶん……2人の、どっちかだと思う」
俺が耳打ちで2人にそう告げると、2人の表情はさっきよりも引きつった。
🩷「俺が能力で奴らの気を引くから……うわっ!」
とりあえず俺の頭に浮かんだ作戦を2人に言おうとした瞬間、怪物が攻撃を放った。それを避けバラバラになる俺たち。俺は瞬時に考える。
次にフリーズが狙った相手が、「お目当ての人」……!
いつでも攻撃を放てるように体の後ろで『ピーマンボール』を作りながら、フリーズと怪物の動向を観察する。こーじとあべちゃんが怪物に攻撃を仕掛ける中、フリーズが見ている相手は……
(続く)
コメント
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続きがめっちゃ気になる👀 楽しみにしてます‼️😆
あべこじ2人とも逃げてー💚🧡 続き楽しみピーマンでありまth.ᐟ