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#普通
野々さくら
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ありあ
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龍河は意を決したように信愛たちへ歩み寄った。
「ごめん、ちょっと話を聞かせてもらっても良いかな?」
突然声を掛けられた信愛は、不思議そうに首を傾げる。
「はい?どうかされました?」
龍河は五人を見回しながら尋ねた。
「君たちってさ狗頸学園高校の
怪異探求倶楽部の子?」
すると茜が一歩前へ出て、龍河をじっと見つめる。
まるで不審者を警戒するような鋭い視線だった。
「お兄さん誰ですか?」
「あぁ、ごめん。自己紹介がまだだったね」
龍河は苦笑しながら懐へ手を入れる。
「俺はこういう者でさ」
取り出した名刺を5人へ手渡した。
「月刊MW ライター 馬場龍河
〒110-0005
東京都台東区下野三丁目24-6
下野フロンティアビル14F
TEL 012-345-6789
FAX 9876-543-210」
名刺には名前とMW編集部の住所、電話番号とファックスの番号が記載されていた。
信愛が驚いたように目を丸くした。
「え?MWのライターさんなんですか?」
「ああ、まぁね・・・」
すると焔垂が目を輝かせる。
「まじでか!?俺、毎月買ってます!」
長年愛読しているオカルト雑誌のライターが目の前にいる。
そんな夢かと疑ってしまう状況に、焔垂少年のように瞳を輝かせる。
龍河はそんな焔垂を見て思わず笑みを浮かべた。
「本当に?ありがとう」
しかし茜はまだ警戒を解かない。
「でも、そんなMWのライターさんが
私たちに何の用なんですか?」
龍河は頭を掻きながら答えた。
「いやぁ、君たちがカルネアデスバス
について話してるのが偶然聞こえてきてね」
「カルネアデスバス?」
さくらが首を傾げる。
「カルネアデスバスがどうかしたんですか?」
龍河は真面目な表情になる。
「実は来月発売予定の9月号で
カルネアデスバスの記事を書く予定で
色々調べてるんだけど、中々情報が無くてね」
「え?カルネアデスバスの記事を?」
信愛が驚きの声を上げる。
龍河は肩をすくめた。
「いやぁ、俺、今絶賛大炎上中だからさ
次こそはキチンと取材したくてな」
朝陽が不思議そうに尋ねる。
「炎上中?」
龍河は苦笑いを浮かべた。
「いやぁ、実は霊貴冥孤の
記事を書いたの俺なんだよね」
「え!?そうだったんですか?」
信愛が目を見開く。
「生活費ギリッギリでさ原稿料欲しさに
テキトーに書いた記事で大炎上してさ
いやぁ、まいったよ〜あはは」
茜は納得したように頷いた。
「ああ、だから私たちが
狗頸学園の生徒だって分かったんですね?」
「そういう事」
焔垂が真剣な表情で龍河を見る。
「でもライターさんがを調べてるって事は
やっぱり実在するって事なんですか?」
龍河はゆっくり首を横に振った。
「いや、まだ調べてる段階だからね
今のところは断言はできないな」
少し間を置いて続ける。
「でも複数の目撃情報がある事も確かだ」
信愛は龍河の目をまっすぐ見つめた。
「でも、なんで私たちに
カルネアデスバスの話を聞きたいんですか?」
龍河は申し訳なさそうに頭を下げる。
「いや、盗み聞きしちゃって申し訳ないんだけど
さっき霊がバスに取り憑くとか言ってたからさ
ちょっと詳しい話を聞かせて欲しいなと」
信愛は納得したように小さく頷く。
「なるほど」
すると茜が一歩前へ出た。
「信愛は霊感があって霊視や除霊が出来るんです」
その言葉に、龍河は眉をひそめる。
「は?霊視や除霊?」
思わず心の中で呟く。
(マジで言ってんのか?)
信愛は龍河の反応を見ても動じることなく、穏やかな口調で言った。
「まぁ、信じれないって思いますけど本当なんです」
龍河は呆然とした表情で頭を掻いた。
「マジかよ・・・なら詳しい話を──」
その時だった。龍河の言葉を遮る様に美月が現れる。
「すいませんが、ちょっと宜しいですか?」
「美月ちゃん!?」
茜が驚いた声を上げる。
龍河は女性と信愛たちを交互に見た。
「美月ちゃん?君たちの知り合い?」
女性は軽く会釈する。
「申し遅れました、私狗頸学園で
教師をしています、赤迫美月と申します」
「あ、先生でしたか」
龍河が姿勢を正すと、美月は柔らかな笑みを浮かべたまま尋ねた。
「私の教え子に何か御用でしょうか?」
その笑顔とは裏腹に、龍河へ向ける視線にはわずかな警戒心が宿っている。
龍河は慌てて両手を振った。
「あ、すいません、別に怪しい者じゃないんです」
そう言うと懐から名刺を取り出し、美月へ差し出す。
「俺はこういう者で」
美月は名刺へ目を落とした。
「MWのライターさん?
MWって、あのオカルト雑誌の?」
「はい」
龍河は素直に頷く。
美月は名刺を見つめたまま問い掛けた。
「そんなライターさんが教え子に何の用です?」
龍河は事情を説明する。
「いま9月号で記事にするカルネアデス
バスについて色々取材をしてまして
それについてこの子達が気になる
話をしていたもんですから
ぜひ取材をさせていただきたいなと」
美月は少し考え込み、小さく頷いた。
「なるほど・・・そういう事でしたか」
そして穏やかな口調のまま続ける。
「ですが先生がいらっしゃるなら、取材は──」
「でしたら私もご一緒させていただきます」
「せ、先生も!?」
龍河は思わず目を丸くする。
信愛が苦笑しながら説明した。
「美月先生は怪異探求倶楽部の顧問なんですよ」
「ああ、なるほどね・・・」
龍河は納得したように頷いた。
美月は改めて龍河へ向き直る。
「私もご一緒で良ければ
取材をお受けいたしますが、どうでしょうか?」
「でしたらお願いします」
龍河が頭を下げると、美月は微笑んだ。
「でしたら近くにファミレスがあるので
そちらでどうでしょう?」
「そうですね、そこでお願いします」
そうして一行は、カルネアデスバスについて語り合うため、近くのファミレスへ向かうことになった。
コメント
1件
いやー、龍河さん、まさか霊貴冥孤の記事で炎上してた張本人だったとは!でも「原稿料欲しさにテキトーに書いた」って認めるところがなんか憎めないなw 信愛たちとの遭遇も自然だし、美月先生が顧問として登場して龍河を牽制しつつ同行する流れも良かった。次のファミレスでの取材、めっちゃ気になるわ🔥