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「……次は勝つ」
涼ちゃんがそう言って顔を上げた瞬間、
元貴が少しだけ距離を詰める。
「じゃあ今のは?」
「……ノーカウント」
「ふーん」
くすっと笑って、さらに少し近づく。
「え、ちょっと」
涼ちゃんが身を引こうとする。
でもさっき押さえられてた流れのまま、うまく動けない。
距離が一気に近くなる。
「元貴、近いって」
「そう?」
わざとらしく首を傾げる。
視線が合う。
一瞬、空気が静まる。
「……やめて」
涼ちゃんが少しだけ抵抗して、手で元貴の肩を押す。
その力は強くないけど、はっきりした拒否。
元貴はそこでぴたっと止まる。
「……」
少しだけ間。
そのあと、ふっと力を抜いて離れる。
軽く笑いながら後ろに下がる。
若井がすぐ横で、
「いや今のは普通にアウトだろ笑」
「お前は黙ってろ」
元貴が即ツッコむ。
涼ちゃんはまだ少しだけ警戒したまま、
「……ほんとにやめて」
さっきよりちゃんとしたトーンで言う。
「うん、もうやらない」
今度はすぐに返事。
少し気まずい空気。
でも、
「てか今日ドッキリ多すぎじゃない?」
若井が笑いながら言う。
「ほんとそれ……」
涼ちゃんも小さくため息。
「もう普通にして」
「はいはい」
元貴が手を上げる。
さっきまでの空気が少しずつほどけて、
3人のいつもの距離感に戻っていった。
コメント
2件
めっちゃ面白いですね!!!