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朝は寒いけれど、何だか凄くすがすがしい。
空気が本当に澄んでいて、美味しい感じだ。
そんな中、まだ火が僅かに残っていた薪ストーブに枝を放り込む。
少し煙くなって、何だか懐かしい香りが広がり、身体が暖まる。
完全に暖まったら朝食だ。
フランスパンとインスタントスープと紅茶という、簡素なメニュー。
食べ終わったら寝袋を畳んで、マットを丸めたり、空気を抜いたりして撤収準備。
荷物をまとめた後、小屋備え付けの箒で掃除をする。
「今日で終わりなのが名残惜しいですね。一泊しただけなのに」
「場所がわかって、遊び方もわかっていれば、またいつでも来られるさ」
「そうだね」
そんな感じで掃除を終えた後、
ストーブの中で燃えていた薪が、きちんと燃え尽きたのを確認して出発だ。
空気はまだまだ、ばりっとする感じに冷たい。
でも空は抜けるような青空で、気持ちいい。
「霜が降りている」
「もうこの辺は寒いですからね」
霜柱のざくざくした感触を足で楽しみながら、なだらかな尾根を下りていく。
水や食料がだいぶ減ったので、ザックも軽い。
あのはしごや木道で急に登った場所の手前で一度休み、
そして今度は、急斜面を下りていく。
「微妙に凍っていて、滑るのです」
「なかなか怖いのだ」
そんなことを言いながら一気に下りて、行きと同じように沢に入り、滝のところへ。
ちょうど光の加減が滝の正面に近い角度で、いい感じだ。
朝日を浴びて、輝くように水が落ちている。
「やっぱりこの滝は、この高さとか綺麗さがうまく撮れないのです」
行きと同じように、未亜さんが何枚も何枚もスマホで写真を撮っている。
「来年の部員獲得のためにも、いい写真が欲しいのですよ」
何だか、もう既に先のことを色々考えている模様だ。
風景は凄く綺麗なのだけれど、長居をすると、結構寒い。
持っている服を着込んだ状態で、三十分ほど滝の場所にいた後、
名残惜しいけれど移動する。
「ついでですから、もう一つ滝を見てきましょうか」
そう先生が誘ったので、十五分ほど歩いて、もう一つの滝へ。
こっちも大きい滝だけれど、雰囲気がだいぶ異なる。
断崖というよりもなだらかな感じで、水流もちょっと細めだ。
「これも、いい滝なのです」
また、未亜さんがカメラマン化する。
「写真だとこの高さがよくわからないので、滝ぎりぎりで立って欲しいのです」
そんな訳で、滝のすぐ近くまで。
そんなこんなしつつ、こちらの滝でも三十分使い、
そこから驚くほど透明な水をたたえた渓谷沿いに三十分歩けば、もう駐車場だ。
「ここも、楽しかったね」
「もっと寒くなると、滝も凍るらしいですよ」
「それも、見てみたいのだ」
なんて言いながら、名残惜しいけれど車に乗る。
「また寒いうちに、もう一度来るのだ!」
そんな感じで、今回の避難小屋初体験は幕を閉じた。
なお帰り、やっぱり日帰り温泉に寄ってしまった。
そこでまたしても僕が、待ちぼうけを食わされた。
これもまあ予想内というか、様式美と化しつつある。
出来れば勘弁して欲しかったけれど、もう無理かな。