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神亜結花
レン🎭(二 次 創 作 垢)
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志歩はなぜか死神が見えていた。
志歩「…一歌なんでしょ….」
と話すが…一歌は横に振る。
死神(一歌)「いいえ、今は死神No.123として名を呼んでいるよ」
と話す。
志歩「……は?NO.123って……なんだよそれ」
志歩は眉をひそめる。
目の前にいるのは、どう見ても“星乃一歌”の姿なのに、どこか違う。
声の温度も、視線も、まるで別人のようだった。
死神(NO.123)「識別番号だよ。私たちは“名前”を持たない」
志歩「……ふざけんなよ」
思わず声が強くなる。
志歩「名前、あるだろ。……一歌って」
その名前を口にした瞬間――
わずかに、“彼女”の目が揺れた。
だが、すぐに無表情へと戻る。
死神(NO.123)「その個体は、もう存在しない」
志歩「……っ!」
胸が締め付けられる。
志歩「じゃあなんで、その姿してんだよ……!」
死神(NO.123)「最も観測しやすい姿を借りているだけ」
淡々とした答え。
あまりにも冷たくて、あまりにも現実的で。
志歩は、拳を強く握りしめた。
志歩「……返して」
死神(NO.123)「?」
志歩「一歌を、返せって言ってんの!!」
その叫びは、夜の空気を震わせた。
一瞬の沈黙。
そして――
死神(NO.123)は、ゆっくりと志歩へ歩み寄る。
志歩は動けない。
恐怖じゃない。
これは――
“確かめたい”という感情だった。
死神(NO.123)「……君は、異常だね」
志歩「は……?」
死神(NO.123)「本来、人間は“私たち”を認識できない」
一歩、また一歩と距離が縮まる。
死神(NO.123)「それだけじゃない。君は“運命に干渉した”」
志歩の脳裏に、さっきの少年の姿がよぎる。
志歩「……あれは……助けただけ」
死神(NO.123)「それが干渉だよ」
低く、静かな声。
死神(NO.123)「本来、あの子は死ぬはずだった」
志歩「……!」
死神(NO.123)「君はそれを“変えた”」
志歩の呼吸が乱れる。
理解したくない現実が、じわじわと迫ってくる。
志歩「……じゃあ何。助けたらダメだったっていうの….」
死神(NO.123)「……規則上は、そうなる」
志歩「規則ってなんだよ……人の命だぞ!」
思わず胸ぐらを掴もうとする――が、
手はすり抜けた。
志歩「……っ!?」
死神(NO.123)「物理干渉はできない。例外はあるけどね」
志歩は一歩後ろに下がる。
現実感が、どんどん壊れていく。
死神(NO.123)「……でも」
ふいに、その声が少しだけ変わった。
ほんの、わずかに。
柔らかく。
死神(NO.123)「“助けたい”と思ったんでしょ」
志歩「……え」
死神(NO.123)「なら、それでいいんじゃない」
その瞬間。
一瞬だけ、“一歌の面影”が重なった気がした。
志歩「……今の……」
問いかける前に――
死神(NO.123)の姿が、ノイズのように揺らぐ。
死神(NO.123)「……干渉が強すぎるか」
志歩「待て!」
手を伸ばす。
今度は、触れられそうな気がした。
でも――
その手は、空を切る。
死神(NO.123)「また会うよ、“例外個体”」
最後にそう言い残し、
“彼女”は闇の中へと消えた。
静寂。
志歩「……一歌……」
ぽつりと、名前をこぼす。
返事はない。
ただ、冷たい夜風だけが頬を撫でた。
咲希「志歩ちゃん、誰と話してるの?」
突然の声に、志歩はビクッと肩を揺らす。
振り返ると、そこには不思議そうな顔をした咲希が立っていた。
志歩「……なんでもない」
咲希「え?でも今――」
志歩「独り言」
短く言い切る。
それ以上踏み込ませないように。
咲希は少しだけ寂しそうな顔をしたが、それ以上は何も言わなかった。
咲希「そっか……無理しないでね?」
志歩「……ああ」
視線を逸らす志歩。
その胸の奥では、さっきの出来事がぐるぐると回り続けていた。
(“また会う”って……なんなんだよ……)
⸻
一方、その頃――
死神の星乃一歌(NO.123)
暗い空間の中、静かに立っていた。
だが、その意識の奥で――
“記憶”が、揺れる。
志歩の声。
バンドの音。
笑い合った日々。
一歌(……志歩……?)
ふと浮かんだ名前。
その瞬間、頭に鈍い痛みが走る。
一歌「……っ……」
ノイズのように記憶が歪み、すぐに消える。
一歌「……なんだ、今の……」
胸の奥に残るのは、説明できない“違和感”だけだった。
⸻
死神の館
重厚な扉が並ぶ、暗く冷たい空間。
そこには数多くの死神たちが集まっていた。
先輩死神「おい、新人」
その中の一人が、一歌――NO.123に声をかける。
先輩死神「まだ魂とってないのかよ!ちゃんとやってるのか?」
一歌「……任務は確認済みです」
淡々と答える。
先輩死神「確認だけじゃ意味ねぇんだよ。“回収”しろって言ってんだ」
舌打ち混じりの声。
一歌は何も言い返さない。
ただ、静かに視線を落とした。
そのとき――
空気が変わる。
ザワッ……と、周囲の死神たちが一斉に動く。
「……来るぞ」
重い足音が、ゆっくりと近づいてくる。
そして――
巨大な扉が開いた。
死神たちは一斉に頭を下げる。
死神No.123「……お疲れ様です」
その声に続くように、全員が一礼する。
現れたのは――
この世界を統べる、“死神のボス”。
ボス「皆の者」
低く響く声。
それだけで場の空気が凍りつく。
ボス「ちゃんと人間界の者の魂を回収すれば――」
一瞬、間を置く。
ボス「人間界に戻してやろう」
その言葉に、場がざわつく。
「マジかよ……!」
「戻れるのか!?」
「やっとだ……!」
抑えきれない歓声が広がる。
だが――
ボス「ただし」
一言で、すべてが静まり返る。
ボス「仕事をしなかった者は――クビだ」
その瞬間。
空気が、凍る。
“クビ”の意味を、誰もが理解しているから。
それはただの解雇ではない。
――存在の消去。
一歌は、静かに目を閉じた。
(……魂を、取る……)
脳裏に浮かぶのは――
志歩の顔。
一歌「……」
わずかに、迷いが生まれる。
だが次の瞬間、その感情は押し殺される。
一歌(任務、優先)
無機質な思考が、それを上書きする。
ボスの視線が、ゆっくりと一歌へ向けられる。
ボス「……NO.123」
一歌「……はい」
ボス「次の対象は――」
その言葉に、全員が息を呑む。
ボス「“例外個体”だ」
一歌の瞳が、わずかに揺れた。
ボス「運命に干渉した人間。……排除しろ」
静寂。
そして――
一歌の中で、“何か”が軋む。
(……例外個体)
それが誰なのか。
考えるまでもなかった。
一歌「……了解」
そう答えた声は、どこまでも冷たかった。