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三十畳ほどの広さと思われる特別室は、奥に大きな窓、天蓋付きのキングサイズのベッドが鎮座している。


大きくてフカフカしたボルドーの天鵞絨ビロード製ソファーの前には、繊細な彫刻が施されている楕円形のローテーブルが存在感を放つ。


ガラス張りのドアはバスルームへ繋がり、壁には、著名な画家が描いたと思われる油絵の絵画が数点飾られており、初めてこの部屋を使う瑠衣は気後れしていた。


(天蓋付きのベッドは……凛華さんの趣味なのかな……)


そんな事を思いながら、瑠衣はいつしかソファーに腰掛けている新規の客の男の前に立ち、改めて挨拶をする。




「改めまして、ご指名ありがとうございます。愛音と申します」


「…………ああ。よろしく頼む」


先ほど、玄関ロビーで挨拶した時と同様に、両手を腹の前で重ね合わせ、背筋を伸ばして深々とお辞儀をすると、少し間を置いて男が答えた。


男は、瑠衣の瞳ではなく、少し下あたりに視線を送っている。


表情を無にしたまま、唇あたりを凝視している男に、瑠衣は警戒してしまう。


部屋にはピンと張り詰めた空気が漂い、この無言が続いている時間が、彼女にはもどかしく感じる。


緊張した空気を破ったのは、男の方からだった。


森閑とした部屋の中に、落ち着いた低い声が瑠衣を包む。


「お前……」


その先、何を言われるのだろう、と瑠衣は身構えた。


客の男は、その先の言葉を繋げる事に、どことなく躊躇っているようにも見える。


「…………いや、何でもない」


男は立ち上がると、突然瑠衣の腰を抱き寄せた。


「さて……」


長い指先が瑠衣の顎を掴み、上を向かせた後、親指で唇をそっとなぞり、そのまま彼女の唇の横にあるホクロを、焦らすように触れる。


「お前の身体を…………早速楽しませてもらうとしよう」


男は耳朶に口を含んで吸い立てた後、首筋に唇を這わせていった。

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