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「……なあ、絶対交互で入った方がいいって。 浴槽、狭いしさ」
風呂場の入り口で、タオルを抱えて困った顔をした。
しかし照は、にやっと笑いながらすでに脱衣所で服を脱ぎ終えてる。
「いやだ。一緒がいい」
「わがままかよ……」
小さくため息をつきながらも、結局断りきれなくて、一緒に浴槽へと入ることに。
いつもの狭めのユニットバス。
照の鍛え上げられた体格のせいで、ふたりが入るとマジでぎゅうぎゅう。
足を動かすスペースすらまともにない。
「ほら、言ったじゃん…狭いって……っ、うわっ」
少し動こうとした瞬間、何かが太ももに当たる。
「……て、照?」
「……ん? なに?」
「……今、当たったんだけど」
「……え?」
照はバレてないと思っているのか、すっとぼけた顔をしてるけど、今もあれが当たっているのを感じる。
ちらっと浴槽の下を見て、すぐに目を逸らした。
「いや誤魔化せてないから!やっぱ別々に入ればよかったじゃん……!」
「これはしょうがないじゃん。ふっかと一緒に入ったら、そりゃこうなるだろ」
「開き直んな!!」
ばしゃっとお湯を跳ねさせて怒るけど、照はどこ吹く風。
むしろニヤニヤして、ぐいっと俺の腰を引き寄せてくる。
「お湯、もっとぬるくする?……長く入れるように」
「ちょ、ちょっと、マジでやめ――」
狭い浴槽で、体が密着して、熱いのはお湯のせいだけじゃない。
結局その日も、俺は照の腕にぎゅうぎゅうに抱きしめられながら、真っ赤な顔で湯船につかることになったのだった。