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Hoicoro
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ロボットの王
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成瀬りん
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コメント
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読み終わりました〜!今回のエピソード、すごく好きです🥀 九さん、めっちゃいい人でびっくりしました。玉藻さんとは全然違うタイプの九尾の狐で、ちゃんと信じてくれて、連絡先まで交換してくれるって…。主人公にとっては心強い味方になりそうですね。 それにしても、世の中には普通に妖怪がいるって世界観、じわじわ来ますね。お館様も相変わらず姿は見せないけどちゃんと守ってくれてる感じがして、ほっこりしました。 がくじゅつてき・あかげさん、このバランス感、すごく好きです。次も楽しみにしてます🕊️
インターホンのチャイム。多分来客が来ている。こんな朝早くに? また変な人来ても困るんだけど……。いや、チャイム鳴らして訪ねてくるだけ、いきなり侵入してきた玉藻さんよりはマシなのかなあ……? この館、さすがにカメラ付きインターホンは付いていない。なので、私は恐る恐る玄関を開けた。
玄関先にいたのは、銀髪の若い女性だった。玉藻さんとは違ってスレンダーで、いい意味で気品のある感じ。彼女は申し訳なさそうに「朝早くに済まぬ」と言った。
「妾は九という者じゃ。ミクズメ……玉藻ミクと名乗っているらしいが、其奴が来なかったか?」
「えっ、お知り合いです!?」
「一応、な。ひどい目に遭わされなかったか?」
「ひどい目には……あっちが勝手に遭ってたというか……」
あんまり普通に聞かれるから頭から飛んでたけど、私は玉藻さんが人じゃなかったことを思い出した。この人、そのこと知ってたりする!?
「てっ、ていうかあの人、狐になって亜空間に逃げてったんですけど!? なんなんですあの人!? 人なんですか!?」
九さんは困惑した。
「な、何があった……?」
私は考えた。この人、名乗ってくれたし、こちらのことを慮ってくれたし、少なくとも玉藻さんよりはまともな人だと思う。
なので、九さんには家に上がってもらった。それから私は九さんにコーヒーをすすめて、あらましを話した。九さんは、ちゃんと信じてくれた。
「そんなことがあったか……」
「なんなんですか、あの人?」
「うーん、あ奴は、九尾の狐での。化け狐のすごい版じゃ」
「九尾の狐!?」
「玉藻は、時の権力者をそそのかしてひどいことばかりさせている狐での……最近は金重視で、残虐なことはしておらなんだが」
いやいやいや、それを知ってるこの人は、どういう人なんだ!?
「そ、その、なんでそんな狐さんとお知り合いなんです!?」
「それはのう、妾も九尾の狐だからじゃ。見せたほうが早いのう」
ボンと音がして、九さんは白銀の狐になった。尻尾がたくさんある!
「え、えええ!?」
「納得してくれたかのう?」
「そ、それは、納得はしたんですけどちょっと、これまでの価値観と言うか世界観と言うかが……」
「まあ、驚くのも仕方ないが」
九さんはため息をついた。
「あ奴は1人で九尾の狐の評判を落としておっての。妾のように大人しくしている九尾にとっては、えらく迷惑じゃ」
九さんはボンと音を立て、また女性の姿に戻った。私はびっくりしたまま聞いた。
「そ、そんな、妖怪っているんですか!?」
「おるぞ、それに幽霊も悪霊も怨霊もおる。普通は、そんなに知り合わないがな」
「はへー……」
あまりにも信じがたいけど……いや、でも、この館も実の祖父の幽霊が確実にいるわけで……化け狐だって、いるのかもしれない。
九さんは、私に忠告するように言った。
「しかし、事情の分からないものには言わないほうがよい。気が狂ったと思われるぞ」
「は、はあ……」
「しかし、{お館様}か」
九さんは、家の中を見渡した。
「見たところ、霊や妖怪の気配はせぬが……よほど上手に隠れておるのかのう」
「え、そうなんですか? いつもいて、その辺で何かしらしてくれますが」
「恥ずかしがり屋なのかもしれぬな。妾に驚いているとか」
「まあ……お館様、動いてるところはあんまり見られたがらないんですよね」
「なるほど。今のところ害はないと」
九さんは納得したように頷き、スマホを取り出した。
「念のために、連絡先を交換しておかぬか?妾、まだすまほに慣れておらぬのじゃが」
「あ、お願いします」
お互い、LINEとメールと電話番号を交換。九さんは言葉通り、かなりスマホ操作に慣れてないみたいだったけど、私が口を出したり代わりに操作したりして、なんとか交換完了した。九さんは言った。
「またミクズメが何かしでかそうとしたら、妾の名を出すとよい、連絡をくれたらすぐに行く。お館様が霊か何かだとして、何か困ったことがあっても、相談先を紹介できるぞ」
「ありがとうございます」
九さんは帰っていき、私は、普通にいい人だったな……と安堵のため息をついた。
その後、西野さんから「大丈夫でしたか!?」と連絡があった。私は聞いた。
「いや、そちらこそ大丈夫でしたか!?」
「いえ、あんまり大丈夫じゃありませんでしたが、一晩体の自由が効かなくて……牧之原様も何かありませんでしたか?」
「えーと、ありましたけど、お館様が助けてくれました」
そう言って玉藻さん絨毯簀巻き事件を話すと、西野さんはさらに困惑していた。もっと困惑させると思ったので、玉藻さんが狐になったことや、九さんのことは話さなかった。しかし、世の中って、意外と妖怪がいるんだなあ……。