コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
・登場人物は全てオリジナルのキャラクターです(一次創作)
・BL要素を含みますが、やらしい描写は無いです(多分)
・設定などがぶっ飛んでいることがあると思いますが、お見逃しください()
それでもいいという人は、どうぞ↓↓↓
うん、あのー、とりあえず俺はダクラの家に向かったわ。方角が分かればこっちのもん、あとはみんなに付いてけば勝手に着く。
てことで到着。ダクラの姿が見えないので、マンション(仮)の端っこに行って丸まった。帰ってくる奴らを見てても一向にあいつの姿は見えない。俺はまたポケットに入ってたスマホを取り出して、動画を撮った。今度は充電器もポケットに入れてたから、有効に使わねーと。
1時間くらい経ったかなぁ。ボーッと人々が歩いてるのを見てると、黒い髪が歩く動きに合わせて揺れてるのが目に映った。あぁ…、お前はいつ見ても綺麗だな。すぐに見つけられる。
俺は静かに立ち上がって、ダクラに近づく。パチッと目が合うと、あいつが大きく目を見開いた。驚きと喜びが同時に混じってるのが感じ取れる。俺は何も言わずに、ダクラの手を掴んだ。今度は歩く速さを変えることなく、手汗をかくこともなく、動じることはなかった。でも俺の手を強く掴み返した。俺はそれだけで嬉しかった。あぁ、戻ってこれたんだなって。普通は逆なんだろうけどさ。俺は、嬉しかった。
ドアを通って部屋に入ったら、ダクラが俺に抱きついた。突然の事で俺は棒立ち。気づいたら、こいつは泣いてた。声を上げながら、鼻水ダラダラで、涙もポロポロで…。顔がもうくしゃくしゃ。俺はアハハと笑いながら、頭を撫でた。こんなブッサイクな顔してるダクラなんて、一生見ることなんか出来なかっただろうしな。今のうちに拝んでおこうとも思ったけど、なんか申し訳なくてやめておいた。骨を折る勢いでぎゅうぎゅう抱き締められて、流石にポンポンと背中を叩いた。
「ダクラぁ、痛いよ〜」「う…っ、うう、大斐…っ、おお、ひ…っ」「…ただいま」「う゛ーっ、ただい゛まぁ゛ぁぁ」「あはは、そこはおかえりだよぉw」「お゛かえ゛り゛ぃぃ」はー、やっぱこっちに来れて良かったわぁ。あのままここに戻れなかったら、マジで可哀想だし。「大斐…っ、どこ行ってたんだよ…っ!朝起きたら、いなく、なってて、ッ、俺…っ、俺……っ!!」「ゴメンなダクラぁ…」ぐりぐり俺の胸に頭を埋めてくるこいつ可愛すぎな?持ち上げてベッドインしなかった俺を誰か褒めて?
「…落ち着いたか?」「…あぁ…」「…感情爆発してたな?」「…あぁ。こんなの、初めてだ。ズビッ」「泣いたの初めて?」「初めてに決まってる。目から液体が出てくるなんて、俺は知らなかった」「良かったな。感情1つ、取り戻せて」頬っぺに付いてた涙を拭いとってやる。もー、うるうるした目で俺を見るなって〜!可愛すぎー!反則ー!!
「それはそうと!お前はなんで突然いなくなったんだ!」「それがさぁ、朝起きたら俺の世界に戻っててさぁ」「…自分の世界に帰ってたのか」「自分の意思じゃねーよ?…まぁけど、うん、そういうこと」「…また…、いなくなるのか」「いなくならない、って断言は出来ねぇけど…。でもさ、少なくとも、俺はお前といたいよ」ダクラがまたうるっとした。「本当か…?だけどお前の世界にも、俺はいるんだろう?」「向こうのお前も、この世界のお前も、同じダクラだから。俺欲張りだからさぁ、両方が大切なの」よしよしと頭を撫でる。「…嬉しい」ボソッとダクラが呟いた。「俺は、今嬉しい」今度ははっきりと言った。「俺はずっと待ってたぞ。お前が戻ってきてくれると信じてた」「嬉しいこと言ってくれるじゃん!」んもー、こんな可愛い子置いてけるわけないじゃんー!!神様ぁ、いるとしたらもうちょいこっちの世界の滞在期間長くしてくんね?!一日はマジで短すぎるって!
「やけに距離が近いな」「近い方が安心するんだ」何この会話。カップルじゃん。もうカップルになっちゃう?ん?「んまぁいーけどさ…。ちなみに、向こうの世界の風景を映した動画撮ってきたんだけど見るー?」「動画…?」「説明するより見た方が早いって!ほらほら、見てみ」「わっ!なんだこれ!動いてる…?!」「これが俺の世界だよ〜。全然ここと違ぇだろ?」「あぁ…!すごい、他人を認識することができる…!それに、この建物は何なんだ…?この緑のものは…?あっ、大斐が映った」「え、木見んの初めてなん?そーいやぁここに来てから緑見てねぇな」「木…?」「…待って。動物と植物どこにいるん」「な、何だそれ」「( ˙-˙ )」「お、大斐…?」「俺が思うよりずっと、この世界はヤバいのかもしれないな…。よしダクラ、よく聞けよ」「あ、あぁ」「まず、信用出来る仲間を探してくr「無理だ」「…」「前にも言っただろう、俺は他人を認識できない。話もしたことがない。出来ないんだ」「でも…でもさぁ、コミュニケーションとんねーと出来ない仕事とかあんじゃん」「俺はそういう仕事に就いてない」「でもぉ」「…俺はお前の力になるなら何でもしたい。世界のことだって知りたいし、そのために変えたいと思う。だけど、政府当局に捕まったら‘死ぬ’んだろ?命がなくなる、なんて俺は嫌だと思った。だから死にたくない。…なんて言えばいいのか分からないが…、これが今の俺の考えだ」「…ごめん。そうだよな…」
俺がまたいつ現実世界に飛ばされるか分からない。だからこそ、早めに行動を起こして革命を起こそうと考えた。…だけどそれはあくまで、ダクラと他の人たちの協力があってこそのみ実現可能なものだ。自分一人じゃどうにもならない。ダクラが、死ぬのが怖いというのも分かるし、世界を変えたいという気持ちもひしひしと伝わってくる。こういう時、漫画の主人公なら「俺がお前を守るから大丈夫だ」なんて事を言うんだろうけど…。俺は所詮ただの人間、そんな無責任なことは言えない。
…こいつ1人を守れるか分からないのに、本当にそこまでして世界を変えるべきなのだろうか…。