時刻は20時を少し過ぎた頃、部屋にインターフォンが鳴り響き、いつもより大きく鮮明に聞こえるその音にビクリと身体が跳ねる。
お鍋の火を止めて、エプロンを外し、気休めにとつけていたのに一切観ていなかったテレビの電源を切って玄関へと向かう。
そして、ゆっくりと開けた扉の前には愛しい恋人が立っていた。
「……どうぞ」
「お邪魔します」
お出迎えの瞬間を何度もシミュレーションしたのに素っ気なくなってしまった私に、嬉しそうに笑顔を向けた太一くんにキュンと胸が高鳴る。
彼がこの家の玄関を跨ぐのは初めてのことじゃないのに、どうしてこんなに緊張するんだろう。
前はずぶ濡れのまま、ここで抱きしめられて、まだ元カレのこと引きずっていた私は、太一くんの優しさに、包み込まれるような温かさに、思いっきり泣いて吹っ切れることが出来た。
もしかしたら、今私の心を埋め尽くしている太一くんへの想いは、その時か***********
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