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害獣のいない世界?—
1.異変の始まり
「……あれ?」
目蒲 安(めがま やすし)は、登校途中に 妙な違和感 を覚えた。
「ジグマ?」
肩にいるはずの フクロウ型の害獣・ジグマ の姿がない。
「……どこ行った?」
昨日の夜までは、いつも通りだったはずだ。
不安を抱えたまま学校に着くと——。
「え、お前、何でメガネかけてんの?」
「は?」
クラスメイトたちの様子が……おかしい。
「いや、俺、テスト前はメガネかけるし。」
「テスト? 何の話?」
「は??」
言葉が噛み合わない。
——嫌な予感がした。
2.害獣がいない!?
「影 道(かげ みち)、シャドウは?」
「……シャドウ?」
影 道が怪訝な顔をする。
「誰それ?」
「はぁ!? いやいや、お前の害獣だろ!」
「……何のこと?」
影 道の足元には、影しかない。
「……おい、ダッシュは?」
芦野 勇(あしの いさむ)に尋ねる。
「……誰?」
「お前の害獣だよ!! 反射神経の!!」
「……は?」
「……ウィズは!?」「ナビスは!?」「スイートは!?」
——どこにもいない。
いや、それどころか——
「お前、何言ってんの? 害獣なんていないじゃん。」
誰も害獣のことを知らない。
「……どういうことだ……?」
3.ジョーカーの影
「……どうした?」
突然、耳元で 声が響いた。
「!!!」
白髪の少年が、教室のドアにもたれて立っていた。
「密鍵……!!」
密鍵 樹沿(みつかぎ なぞ)。
「……何か困っているみたいだね?」
「お前、何か知ってるのか!?」
「知ってるも何も……最初から害獣なんていなかったんじゃないか?」
「……!!」
ジョーカー(黒い影のような害獣)が、密鍵の肩の上で静かにこちらを見ていた。
「そんな馬鹿な……! 昨日まで普通にいたんだぞ!!」
「それは、本当に“いた”のかな?」
密鍵は、薄く笑った。
「お前……何をした!?」
「さぁね。」
ジョーカーの赤い瞳が ギラリと光る。
「害獣のいない世界……悪くないと思わないか?」
——何かが、おかしい。
「これは……夢か?」
「どうだろうね。」
まるで試すような口調で、密鍵は去っていった。
4.唯一の痕跡
「……いるはずだ。」
目蒲は 必死にジグマの痕跡を探した。
すると——机の引き出しの中。
「……ん?」
ノートの隅に、小さな羽根が挟まっていた。
「……ジグマ?」
それを手に取ると、どこか遠くから——
「……やすし……。」
かすかにジグマの声が聞こえた気がした。
「……っ!!」
「ジグマ……どこにいる……!!?」
害獣たちは、本当に消えたのか?
それとも……誰かが仕組んだ何かが、ここにはあるのか?
答えは、まだ分からない。