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そんな訳で。
転んだ後の姿勢とか、ピッケルを雪面に刺すやり方とか、色々やって。
更に、アイゼンを付ける練習、付けて歩く練習、滑落防止をする練習をした後。
「こんな感じですね。それではテント内で休憩しましょうか」
中に入って、小さいデスク箒で入ってしまった雪を払って、靴を脱ぐ。
「皆さん、足の方は大丈夫ですか。感覚が無いとか、ありませんよね。手で触って確認してみて下さい」
皆、真面目な顔で足の指を確認。
「問題無いのだ」
「それでは、今の訓練の時に私が取ってきた綺麗な雪があります。これを使って水をつくっておきましょう」
先生と僕のザック内側、背中側にはベニア板が入っている。
それを取り出してテントの真ん中に、台の代わりに敷いてガスボンベを置く。
「雪がない季節なら、テントの外で調理するんですけれどね。雪山だと寒すぎるので、テントの中で調理をします。そうしないと、ガスも気化して燃えてくれないんですよね。寒冷地用を使っても」
「結構温かい気がするけれど、今何度くらいなのかな?」
彩香さんが素朴な疑問。
先輩がにやりと笑って、ザックの頭部分から何かを取り出す。
「ジャジャジャジャーン、温度計!」
そう言って出た値を皆に見せる。
「うそ、これでまだマイナスなの!」
「とてもこんなに寒いと思えないのだ」
「同感です。わからないものですね」
数値はマイナス5度。
もし学校のある頭子とか葉耶麻でこの気温だったら、寒くてたまらない筈だ。
「それだけ頑張って、身体の方が熱を作っている訳だ。だから、その分カロリーを補給する必要がある」
「川俣さんの言う通りですね。それに、汗をかいたり空気が乾いていたりするので、どうしても水分が足りなくなったりするんです。そんな訳で、こまめにお茶タイムをして、何かを食べたりした方がいいんですよ」
「ダイエットには最適なのだ」
亜里砂さんが、そんなとんでもない事を。
「まあ、そうですね。ただ、食べないとシャリバテといって、本当に動けなくなったりしますからね。何事も程々にという事で」
大きい鍋に雪を入れ、水になったらまた雪を追加して。
そんな感じで、鍋半分位の水を作る。
「残った行動食と一緒に、スープでも食べましょうか。それとも、雪山用激甘ココアの方がいいですか」
「両方!なのだ」
亜里砂さん、元気だ。
「なら、最初はスープで、次がココアですね。取り敢えず、出来た水の半分は水ポリに入れておいてと」
先生が持っている、2リットルのポリタンクに水を入れる。
そして残った水を別の鍋に。
「こっちの鍋は、水沸かし用に綺麗にしておきたいですから。さて、ちょっと水分を多く取りたいから、チキンコンソメスープにしましょうか」