テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
そんな訳で昼食を食べ、激甘ココアを飲んで。
更に甘々紅茶を作って、あの大きい魔法瓶型水筒に詰めた後。
「それでは折角ですから、訓練ついでに色々まわりを探検しましょう。あと、亜里砂さんは山バッチを集めているんですよね。そこの小屋にもありますよ」
「そう言えば、忘れていたのだ!」
皆で外に出る。
まずは小屋でお買い物をして、それから近くを散策。
「ついでだから、そこを登ってみましょうか」
先生はテント等がある平地のすぐ横にある山を指す。
「そこは簡単に登れるのですか」
「ええ。この周りとか登ってきた方向とかが見えて、結構いいですよ」
よいしょと5分くらいで上まで登る。
小屋がある盆地っぽいところが、テントを含めてミニチュアのように見えた。
そして反対側には、山が2つそびえている。
「あれが、明日登る予定の東天狗岳と西天狗岳です」
「空と雪が綺麗なのだ」
そう言ってみている亜里砂さんの横で、未亜さんがスマホでパチパチ写真を撮っている。
「今回は寒いと思ったので、防寒袋入りで、予備バッテリを接続したままなのですよ」
万全の準備をしていた模様。
まわりはハイマツかな、背の低い木々に覆われた、少し広い広場状の地形。
彩香さんが木の上に積もった雪を、ぽん、と弾いた。
雪の粒がキラキラと陽の光に輝く。
「本当は雪山でやってはいけない事を、これからやります」
先生がそう言って、にやりと笑った。
「ここに、プラスチック製の小型食器とスプーンがあります。更に、私の行動食はコンデンスミルクです。これを組み合わせると、どうなるでしょう」
「かき氷なのだ!」
亜里砂さんが真っ先にそう回答。
「正解です。本当は体温を奪うので良くないのですけれど、この辺の綺麗な雪をちょっとこの食器に落として、たっぷり練乳をかけてと」
先生はそう言って一口、自分の口へと運ぶ。
「うん、完成です。皆さんもどうぞ」
そんな訳で、試食会開始。
「うん、これは美味しいね」
「幾らでも食べられるので、取り敢えず、練乳おかわりなのだ」
2人目の亜里砂さんで一度食べきって、また雪を取って、練乳を掛けてもらう。
「何故プラスチック製の食器とスプーンか、わかるよな」
先輩が僕に質問。
「氷点下ですと、金属部分に直接触れたらその部分が凍って、取れなくなるからでしたっけ」
「正解。だからこの一番下の手袋は、基本、常にはめたまま行動するわけだ」
というところで、僕にもアイスミルクが回ってきた。
スプーンが、間接キスを通り越した状態のような気がするが、気にしてはいけない。
アウトドアなんて、そう言うものだ。
僕は、そう強く意識しつつ、口に運ぶ。
冷たいけれど、確かに美味しいな、これ。