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自分の立場について何時も考えてしまう
総統という立場に居て彼奴らを俺は上手く使えているのか、否違う。
彼奴らは俺が拾わなければもっと、…幸せな未来を掴めていたのではないかと…。
そもそもとして、…だ。
自分はフューラー家の養子として入ってきた。お父様の本当の子供では無い存在…。
『………、はぁ』
こんな事を考えてしまうとは、俺もまだまだだな…、
頭の中ではわかっていたとしても、感情は制御出来ない。俺もまだまだ、…普通の人間なのだ。
昨日は、…兵士を多く亡くしてしまった。幹部も、己の力不足のせいで怪我をさせてしまった。
ひとつの国を持つ総統として、こんなにずっと、悩んでいるのは駄目だとは分かっている。分かっているが、…やはり、自分は考えてしまう。
今回、軍の兵士を亡くしてしまったのが…もし、幹部だったら?身近の人間だったら?…もし、兵士の友達だとして、己の友を亡くした総統に尽くしたいと思うのか…?
そういうマイナスな考えがグルグルと頭を回る
『…はぁ、』
書類を手に自分の手は止まる、
報告書だ。今回己のミスのせいで怪我をさせてしまった幹部、トントンだ
今回の戦争、途中までは負傷者も死者もいなかった。だから自分も前線の方へと向かってしまった
それを狙っていた敵国が、自らの国の民も犠牲に爆弾を投下したのだ。
トントンは、俺を庇い手を火傷してしまった。
大きな火傷だった。
俺は、…なにもできなかった。
兵士や、民などに責められた。何が総統だ、
人、1人も救えないで…お前は何をしているんだと…。
その通り過ぎて、自分は…、俺は、………、
なにもできなかった。
誰かに助けてということも、兵士に謝りに行く事も、すべて…なにもかも自身はできなかった。
何時も、夢を見る。今回は怪我だけだったが、もし命が削られたら?身近なトントンや、否幹部全員が亡くなったならば…。そしたら、…俺はどうなってしまうだろう…、、
光を向けていた自身の存在は、周りの幹部に光を預けて、闇に自信を預けたのだ
真っ暗で、暗くて、寂しくて、
誰も助けてはくれない。
助けてほしくても、総統だから、…。
…上の立場になるという自覚を余り持っていなかったから、…。
未熟な考えが、人を弱くした。
『……、ハハッ、w……はぁ、…』
惨めすぎて、笑ってしまう。
でも、この笑い声も闇に溶けて…静かな軍内に響いて消えていく。
幹部たちは、今トントンに付きっきりで世話をしている。
自分は、ただ…なにもせず、部屋に居るだけだ。
気分を逸らすために、空を見に窓を開ける
曇り空が拡がっていた。
小さく息を吐く、…誰か…助けてくれ、…そんな願いを込めながら、息を吐く
曇って少ししか見えない太陽に手をのばす。手を振ると太陽の光は目の前で遮られる。
本当は、己が太陽と同じ立場に居たはずなのに…。今は真逆な存在となってしまった…否落ちてしまった己を許しておくれ…。
そんな事を思いながら、窓を閉じただ何かをする訳でもなく、…ぼーっと空を眺める
自分の無力差が、…自分を押しつぶす。
瞳に映る空色を、俺は汚したんだ。
『………。』
なにもせず、ぼーっとする。その方が楽だから
そんな時、ガチャリ扉は開いた
『………トン氏…。』
赤色の瞳でこちらを見る。
「…ふは、w…酷い有様やなぁ…?」
『……、すまん。』
「…グルさん、それは何についての謝罪なんや?」
『………怪我をさせてしまった事いや、違うな…全てだ…。』
赤い瞳はこちらを見る。その瞳にはなんの意味を込めているのやら…。もう、俺には分からない、、いや分かりたくない
「……、お前がそんな弱る事なんてあるんやなw」
反抗する事さえ自分には出来ない。分かっている…。皮肉で言ってる事も…全部。
『……なぁ、トン氏』
…自分の立場がこんな質問をしては行けないことぐらいわかってる。ただ今だけは、…グルッペンとして接してくれ…。
『…総統には決断力、考える力、支持能力、もっとあるとは思うが…』
『最も大事な能力はなんだと思う?』
総統補佐のお前なら、きっと分かるだろう?
トントン…。
「……、判断力、」
『…そうだな…トントン、なら、判断力が欠けた総統はどうなるべきだと思う?』
わかっていた。自分でも分かっている。でも、…自分で自覚したくないんだ…。
「…此処に居るべきなんじゃないですかね」
『は…?』
「此処のメンバーはみんな、何処か欠けとる」
「俺かて、出来ひん事はある」
「それに、…あんたが判断した行動ならどんなに怪我しようが死のうが別にええ」
「それを考慮しての此処やろ?」
『…そうだな、…』
少し、トン氏のお陰で自覚を…自信を持てた気がした。
ふと空を見上げるととても綺麗な空が広がっていた。天気も、自分の気持ちも晴れた気がした。