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もちもち
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酸素 ꕀ ♥
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「心音、こっち向いて」
「え?」
振り返った瞬間、カシャッ、とシャッター音が鳴った。
「ちょ、らぴす! また撮ったでしょ」
「撮った」
「消してよ!」
「嫌や」
Lapisは楽しそうに笑いながら、スマホを胸元に隠す。
「だって心音、今日めっちゃええ顔してたし」
「……写真写り悪いから」
「嘘つけ」
そう言って、Lapisは撮った写真を見せてくる。
画面の中には、少し照れた顔をした自分。
その隣には、楽しそうに笑うLapis。
「ほら」
「……何?」
「この色、心音っぽい」
Lapisが指差したのは、写真の背景に映っていた夕焼けだった。
「俺っぽい?」
「うん。あったかい感じする」
「じゃあ、らぴすは?」
「俺?」
「うん」
心音が尋ねると、Lapisは少し考えてから笑った。
「俺は……心音が決めて」
「なんで?」
「俺の色なんて、心音が見てくれたらそれでええから」
「……変なの」
二人で笑う。
夕方の空は綺麗な橙色。
街にはたくさんの色が溢れていた。
赤い看板。
青い空。
緑の木々。
そして、隣にいるLapis。
心音にとっては、全部が当たり前だった。
――この世界に、色があることも。
――大切な人が隣にいることも。
その帰り道。
心音はふと、信号を見上げた。
「……あれ?」
「ん?」
「いや……なんでもない」
信号の青が。
ほんの少しだけ――
薄く見えた気がした。
気のせいだ。
きっと、そう。
心音はそう思って、Lapisの隣を歩き続けた。
このときの心音はまだ知らなかった。
自分の世界から、少しずつ色が消えていくことを。
そして――
その原因が、「愛」そのものだということを。
コメント
6件
う〜ん…どういうことだ?青だけ消えていくのかな、?
原因が愛、?色がなくなっていくってこと、心音くんの瞳から、らぴぴの色が見えなくなってくってことかな?
ああ、すごく好きな雰囲気……! 夕焼けの色と、らぴすの「俺の色なんて、心音が見てくれたらそれでええから」っていう距離感、心音が照れてるのにちゃんと隣にいる感じがぎゅっときました。それでいて、青信号が薄く見える違和感——この伏線、すごく気になります。まだプロローグなのに、もうこのふたりの行く末が気になって仕方ないです。続き、読ませてください。