「き、来てくれた!」
キターー!超絶厨二チートキャラ!かっこいい!
「何をすればいい?」
「う、うん、とりあえず僕の護衛を頼みたいんだけど、いいかな?あと倒してほしい人がいるんだけど」
「了解した」
話早!
いや、まぁこの前もあんな感じで護衛みたいな事だったから日常茶飯事なのかな?
「よし、じゃあついて来て!」
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「あらぁ?どうしたのかしらねぇ」
扉を開けると人さらいの女は暇そうにナイフをくるくる回していた、その傍らには痛みで気絶したんだろうモグリマスターが居た……ひどい……。
「なんで戻ってきたのか知らないけど、ちょうど暇してたのよねぇ」
「……」
「このデブ、世間では評判よくなくて殺しちゃっても誰も文句言わないだろうけど、どうせ殺すんだから遊んでからでもいいわよねぇ」
「うるさい黙れ、お前はマスターの事を何も知らない!」
「あら、口が悪いわねぇ、お仕置きが必要かしら?」
少し口答えする殺気が漏れ、威圧感が滲み出る。
その殺気で身体が硬直し、背筋が凍りつき、口も震え出す。
その圧倒的な存在感により、涙さえもこみ上げてくるが、心の奥底から一言、こいつに言う!
「お前のせいで異世界人生台無しになったんだよ責任とれ!」
「はい、半殺し確定ねぇ〜」
「やっちまってください先生!」
先生はお前だろってツッコミは後にして合図とともに後ろに隠れていた黒騎士が姿勢を低くし、ものすごい早さで飛び出してきた。
「!?」
その早さに風が巻き起こり俺のスカートがめくれ黒いパンティーが見えるが気にしないで!
ガキン!とお互いの武器がぶつかり火花を散らし、女の方が勢いを殺せず壁にぶつかる。
「ぐ……お、おかしいわねぇ、あなた、気配も何も感じなかったわ、一体どこから沸いて出たのかしらねぇ」
「……」
すかさず黒騎士は距離をつめて連続で攻撃を仕掛ける。
「うっとうしぃ……ねぇ!」
女性は必死に攻撃をかわしているが、圧倒的に黒騎士が優勢だ!いける!
「__っ!」
女の武器が弾かれ、ナイフは床に転がり、彼女の喉元には黒騎士の武器が突きつけられた。
すげーよ!ざまぁみろ!黒騎士様流石です!
フッ……ここで俺が言ってやろう。
「子供達を置いて逃げるんなら命までは取らないよ」
え?お前が言うなって?気にするか!俺が呼んだんだし!
「それはおやさしいねぇ」
「僕は優しいから」
今も尚、黒騎士は武器を突き付けたままだ、そしてグッドタイミングでしたっぱを絵にかいた様な奴が来た。
「姉さん準備できやした……って姉さん!?」
「おっと!それ以上動くと僕のナイトが首をはねるぜ!」
「てめー!」
俺が挑発する様に言ったので下っ端は襲い掛かろうとして来たが、黒騎士は弾いた女のナイフを一瞬で蹴り飛ばし、下っ端の頬をかすめた……え、やば、めっちゃカッコいいんだけど!?
うわ、惚れそう!
「っ!?」
下っ端はボスに選択を委ねた。
「今すぐ退くよ、こんなことで死んでちゃバカらしいからねぇ、先に行って子供達を解放する様に伝えな!」
「へ、へい!姉さん!」
したっぱは急いで出ていった……
「……あんた、名前は」
「僕?」
「そうだよ」
「僕はアオイだ」
「アオイ……覚えとくよ、うちの名前はエンジュだ」
エンジュ……俺をこんなふうにした張本人、まぁ今回は少し仕返しができたかな?
「黒騎士さん、解放してあげて」
エンジュは解放されると俺の横を通りすぎる際に「これからよろしくねぇ」と言って消えていった……うわぁ、こわ、これ後から絶対仕返しくるやん。
部屋には気絶したマスターといまだ魔法で眠らせられてる先生達、きっと子供達もあの感じなら無事だろう。
「これで終わりか?」
「待って、まだ護衛は終わってないよ」
「……?」
そう、今がチャンスなのだ、みんなが見ていない今__
____この黒騎士という戦力を連れてヒロ達の所へ行く!
「でも、流石に手紙くらいは書いといた方がいいよね」
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「じゃぁ、話した通り、ギルドまで僕を送り届けて欲しい、その後も場合によっては付き合ってもらうかもね」
「……」
屋敷の外に出て安全を確認したところで黒騎士に話しかけるが黒騎士からの返事はない、これは肯定と受け取って良いのだろうか?まぁこういう人は無口なキャラだよね…………
と、言うと思ったか!ちゃんと返事しなさい!
「ちゃんと返事して!」
「了解した」
「うむ、よろしい」
「じゃぁ、ギルドまで行くよ!」
覚悟を決めた俺は第1歩を踏み出し__
「ん?ぇ?」
黒騎士は俺をお姫様だっこで抱えあげてきた。
「な、なんのつもり?」
ちょっと、今結構大事なカットだったんだけど?
「こっちの方が早い」
黒騎士は思いっきり踏ん張ると地面を蹴り____
飛んだ。
「いや、ちょ……うわぁぁぁぁあぎゃぁぁぁあ!!」
例えるならジェットコースターの一回転するときの殺人的なGを感じながら……俺は異世界で初めて空を飛んだ。