夜になり、より騒がしさが増した街をひたすら前だけを見て歩く。
どこに行くという訳でもなく、
君から見えなくなるまで。
ネオンの輝きと騒音と冬の冷たい空気の中で、耳に残るのはみやが俺の名前を呼ぶ声。
その声が頭の中で何度も再生されて、振り返ればそこにまだみやがいる。
そんな幻まで見えてしまいそうだ。
「ねぇ聞いてる?私の話」
いつの間にか腕に手を回し身体を密着させている由莉を引き離して、歩調を速めたが、それでも纏わりつこうとする由莉を制止する。
「やめろ。……どういうつもりだ?俺達もうそんな関係じゃないだろ」
「そう思っているのは貴方だけよ。私は終わりだなんて思ってない」
「別れようと言ったのは……君だ」
「そんなの言われて当然よ。突然女の子を面倒見る事になったって言われて、はいそうですかって納得する女がいると思う?今までいろいろ我慢してきて、私はもう限界だった……」 ******
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