安斎さんが運転する車に揺られ、私が知ってる街とは全く違う印象に染まった夜の街を眺めていた。
寄り添って歩く男女の姿が宏忠さんの姿と重なった。
女の人と腕を組み、歩く宏忠さんは私が知っている宏忠さんとは別人のようで、
あの人の事を、少しでも分かった気になっていた自分が恥ずかしくなった。
買ったばかりのビターチョコは、私の手から熱を受け止めて、少し力を入れるだけでそこから折れてしまいそうだ。
この気持ちは何なんだろう。
お皿に乗ったオムライスをたくみに取られてしまった時のような、
お父さんがお母さんとぎゅってしてる時、間に入って邪魔したくなるような……。
そうじゃなくて、もっと別の感情も入り混じる。
まだ17年ぽっちしか生きていない私には、この気持ちが意味する答えなんて分からなくて、考えれば考える程、灰色の霧が胸の奥を満たしていく。
家に帰ると私を心配した望と優実が出迎えて****************************
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