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※このお話を読むときのポイント💡
情景や、登場人物達を自分の自由に想像しながら物語を読むと、より楽しめますよ♪
第八章 友情とは
自宅の部屋で寝転ぶ
天井を見上げ、先程のことを思い出す
女子生徒らの攻撃は…正直痛かった
本当に女子かって思うくらい
もう、ゴリラではないか?とまで思った
我ながら少し馬鹿になったかもしれない
でも、その後保健室で2人がケガの処置をしてくれて
なんとか傷は大丈夫だ
でも、まだ痛む
学校にも行きたくないな
でも、僕はさ、帰ってきて気づいちゃったんだ
2人に”ありがとう”って言えてない
少し、気恥ずかしくて
感謝なんて言葉にしたことがないから
伝える相手がいないから
だから、僕は明日も学校へ行く
2人に感謝を伝えなければ
翌朝
雀が鳴き、日光が差し出し明るく変わる部屋
僕は制服に着替え、下の階へ降りる
台所に立ち、パンにマヨネーズと卵を乗せ、焼く
これがまた美味しいのだ
だが、カロリーが高いので、たまにしか食べられない
さすがの僕でも、太ってしまうからね
それだけは嫌だ
しっかりと支度を終え、靴を履く
「いってきます」
誰もいない家
一人にしては大きすぎる家
一人には寂しい家
だけど、今日の家は僕を送り出してくれていたと思う
校門を通る生徒たち
おはようと、挨拶が飛び交う
僕は、少し離れた所に2人がいるのが見えて
「おはよう…!」
と、少し元気に言えた
〈おっはよ〜!〉
『はよ〜』
2人も返してくれた
『お前から挨拶とか珍しいな〜』
『今日雨降るんじゃね??』
「馬鹿言え」
〈ww〉
他愛もない会話をして、昨日のことなんか無かったかのように
教室へと入る
教室に入ったところで僕は思い出してしまった
昨日のこと、一昨日のこと
バクバクと、心臓が脈打つ
顔が一気に青ざめる
クラス中の視線が痛いのはなんでだろう?
そんなの、すぐに答えが出た
あいつらが、やられっぱなしで終わるわけがない
やっぱりか、
僕の机の上には落書きや、ゴミが散乱していた
やっと目に見える虐めをしてきたな…
なんて思っていたら、あいつらが寄ってきた
〚あれれ〜?琉生くん〜?w〛
〚ゴミなんか机に置いて大丈夫なの〜?w〛
〚ガリ勉なんだから、机なかったら勉強できないよね〜?w〛
〚早く片付けなよ〜ww〛
〚ただでさえ臭くて皆嫌がってるんだからさ〜〛
〚あ、今でも嫌がられてると思うけどね〜ww〛
女子生徒グループ4人が口々に言う
だが、僕の耳には通らない
生憎だが、僕はこういう口喧嘩には慣れている
家庭でのことがあったからだ
何かは……言えないが、
でも、反論するのも面倒で、無心で片付けようとする手を日比谷さんが止めた
〈ねえ、謝って?〉
〚はぁ?〛
〈だから、謝ってって言ってんの〉
〈頭だけじゃなく、耳まで悪いの?〉
おいおい…、これ以上大事にしないでくれ…
片付ければ済むことなんだから…
ほおけている僕を置いて、清水と日比谷さん、女子生徒の口喧嘩が乱闘していた
〚はぁ〜!?頭悪くなんかないんですけど!?〛
〚あんたのほうが悪いんじゃなくて~??w〛
〈え?だってさ、私達今来たんだよ?〉
〈だったら、この机の物は誰かが故意に置いたってことだよね?〉
〈そんなの、あんたらしかいないじゃん〉
〚決めつけるの?証拠もないのにww〛
もっともな言い争いをしている所悪いけど…
僕本読みたいんだけど…
なんて、言えるはずもなく…
あ…、と情けない声を出し、おどおどするしかない
『いやいや、あるだろ。ばっちりな証拠が』
〚は??〛
『おめーら、知らねぇのか?』
『2年もこの学校にいるのに??w』
『ん、』
清水は、天井の角を指さした
みんなその先を見つめる
〈!?〉
『そうだよ、この学校には何年か前に事故が起きた』
『だから、教室中、学校中に防犯カメラがある』
『先生に確認してもらえば一発KOだろ?w』
〈やる〜!w〉
やってやったぞ、と言わんばかりの自慢げな表情で、2人拳を合わせる
すごいな…、なんて今更だろうか
〚チッ…〛
げ、いかにも覚えてろよ、と言いたげな顔でこっちを見てくるなよ……
僕何もしてないだろ…
でも、何故か腑に落ちない
スッキリとしない
なんでだろうか?
女子生徒達は僕の机のものを綺麗に片付け、先生たちに報告した
昼休憩中
いつものように屋上で弁当を開く
〈も〜!琉生くん、あの時はちゃんと言わないと!〉
〈謝ってって!〉
「僕に言えるわけないだろ…」
『え、琉生が本音言うの珍しいな…』
『本当に雨降るんじゃ…?w』
あ、口に出てた…
気が緩んでるな…、
でも、正直僕には何もできないと思う
気弱で、何もできない僕なんかに……
〈何もできなくなんかないっ!〉
え…?声に出てた…?
〈うん、バリバリ出てる〉
まじか…
隣でコクリコクリと、頷く清水
やめろ…、めっちゃ煽ってるようにしか見えない……
「でも、本当に何も_」
〈だったら、できるようになればいいんだよ!〉
僕の言葉を遮るように話す
「できるよう、に…?そんなこと…」
〈きっとできるよっ!〉
「……根拠は?」
〈そんなものはないっ!〉
『ははっ、夕華らしいなw』
たしかに、彼女らしい
彼女には、科学や倫理など関係ないのだろう
だが、そこが最も彼女らしいのだ
その後、3人で笑いながら放課後へと移り変わったのだった
今日の放課後は何もなかった
いや、あったら懲りないな…ってなってたけど
でも、二人のおかげで僕が何故スッキリしないのか
何故、腑に落ちないのか分かった気がする
明日、全て解決させて、いつもの平穏に戻す…!
第9章 負けない強さ
朝、校門の前に立つ_
僕ら3人
「……なんで2人ともいるの?」
〈ムカつくから〉
『抜け駆けはずりぃぞ!』
「いや…抜け駆けとかじゃないし…」
そもそも、それぞれ登校時間も違うでしょうが…
揃えたのか?
……ほんの少し、少しだけ、嬉しくなった
この気持ちは内緒だ
クラスへのしきいをまたぐ
昨日のことで、クラスのみんなからの目は相変わらず痛い
だが、今日の僕は気にならない
相変わらず懲りず、睨見つけるように僕の机の前にいた
『ほんっと…懲りねぇな…』
ぼそっと、呟く清水の言葉に僕は心の中で思いっきり頷いた
〚あれれ〜?また3人仲良く登校ですか〜??w〛
〚まさか、三角関係〜?ww〛
今度はそういう設定か、
だが、その手には乗らない
いつもの僕なら面倒だからと、スルーしていただろう
でも、今日はそうはいかない
明日からの僕の平穏を取り戻すべく、頑張らなければいけない
「……こ、…いて」
〚は??何言ってんの?〛
〚あ、まさか言い訳ですか〜??w〛
〚いいよ〜、もうわかっちゃってるか_〛
「そこ、どいて?」
僕の声が女子生徒の言葉に重なるように響いた
クラス中がビリビリと響くような重低音で発した言葉は意外と効果抜群だったようだ
〚っ…!?〛
驚いたように目を見開いたまま静止している
僕が反論してくることなど予想外なのだろう
…後ろの二人はドヤ顔で口も開かない
何やってんだか…
〚は、はぁ??どくわけないでしょ!〛
〚バカにしてんの??〛
「ああ、バカにしてる」
「僕より頭の悪い、……えーと…名前…なんだっけ?」
「ごめん、名前わかんないや、」
「そっちは名前覚えててくれたのに…、あ。」
「もしかして…、僕より影薄くて気づかれてないとか??」
「そうだったらごめん、……ド陰キャ同士仲良くしようか?」
………ドクドクと、脈打つのがわかる
めっっっちゃ上から目線だった……
大丈夫かな…?
わなわなと、震えているように見える
そんなに怖かったかな…?
〚…………〛
〚ば、馬鹿にすんなよ!!!〛
リーダーの一人が僕に向かって拳を投げてきた
やばい、怒らせた
殴られる…っ…!
『よく頑張りました!w』
〈後は任せて!〉
今まで動かなかった二人が動き出し、僕の前に立った
その瞬間__
バキッ…
殴られたような音が教室中に響いた、
みんながこちらを向く
殴られたのは……
清水だった
吹き飛ぶほどではなかったが、赤くなっていた
『いっってぇ…な?』
あ、ガチで怒ってる……
でも、必死で堪えてる……
そのとき、日比谷さんが声を出した
〈きゃぁぁーっ!!〉
すっごい叫び声で
みんなびっくりしてるって…
だが、こんなもので僕らの逆襲は終わらなかった
〈誰かー!?誰かー!!〉
〚ちょっ…!〛
〈生徒が殴られましたー!!!〉
ピンチなときなのに、めっちゃ笑顔で叫んでる…
清水も、めっちゃ笑ってる……
どういうこと?
〔おい、どういうことだ!?〕
駆けつけた先生達
〈せ、せんせぃ…!〉
先程の笑った顔とはうってかわり少し涙目の表情で、見つめていた
演技うま……って、思ったよ
〈この人達が、涼くんを殴りましたっ…!〉
『いたた……』
〔はぁ!?〕
〔ちょっと君たち職員室まで来なさい!!〕
〚えっ!?ちょっ!?私達は何もっ!〛
これ程ない好機に僕も乗っかる
にしても、清水も演技うますぎだろ……
「あの、先生…」
「僕、一昨日とかに、この人達に暴力を振るわれました」
「昨日には机を落書きなどを……」
僕は昨日の様子を伝えるため、防犯カメラに指をさす
「あれを見てもらえればわかるかと……」
〔なんだって!?〕
〔わかった…、このことは親御さんにも相談だな…〕
と、まあ……、台風のように過ぎ去っていった波乱は、少し経つと、その生徒達も消え、忘れてしまう程だった
あれから、伝え忘れていたお礼もきちんとし、平穏が戻ってきた
……のだが、
〈夏休みー!!〉
『いえーいっ!!』
「いえーい」
『嬉しそうじゃねーな?琉生〜』
肩を組んできた清水が言う
そりゃそうだろう……
休みはいいが、家族もいないのだ
暇すぎる……
〈あ!夏休み遊ぼうよ!〉
〈また花火大会もあるし!〉
『そうだな!!』
たしかに……、いいかもしれない
「いいな……」
ぼそっと呟いた、が聞こえていたようだ
『何言ってんだ、お前もだぞ??』
〈そうだよ!!〉
え……、
「うれしい……」
顔を見合わせて、パチクリと、まばたきをする2人だったが、やがて手を合わせた
「あ、その前に、日比谷さんは部活決めないとね」
〈あー!たしかに!いろいろあって後回しにしてた!〉
『あー、そのことなんだけどー……』
『俺と、夕華、琉生と同じ写真部入ることになったわ』
〈……いつの間に!?まあいいけどさ!?〉
いいんだ……
『俺は、バスケ部と掛け持ちで、夕華は…先生の采配だw』
〈えぇ〜そうなんだ〜…、ということで!先輩写真教えて〜!!〉
ああ…、面倒くさいなー…
でも、少しだけ、微笑ましく思い、久しぶりに心から笑えた気がした
ちな、食べてた琉生の朝ごはんは、まじでめっちゃ美味しいですww(←経験済み)
食パンに、マヨネーズ塗って、パンの耳辺りをマヨネーズで掘りを作るように絞って
その中に生卵入れて、トースターで焼いたら、まじで美味しい!
でも、物語でもあったようにめっっちゃカロリー高いから、気にならない人は作ってみて〜w
本当美味しいから!w
あの…イメージ的にはラピュタのピーターが食べてた目玉焼きパンみたいな?w
長くなりました…!
ではー!
第十章:夏休み