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窓の外に捉えた尖塔が、この頭痛に明確な理由をつけた。
「そういえば、あれはどうしているの？」
ああそう、そうだ。
酒が過ぎたのも、身体が気怠いのも、気分が悪いのも、すべてはあれのせい。
わたくしがこれ程に不調を感じるのならば、それ相応、いいえそれ以上に、あの女も酷い状態になっていないと気が済まない。
そう思って聞いたが、メイドは詳細を知らぬようで、困ったように狼狽えるばかりだ。
打って響かぬ反応に、思わず舌打ちを零す。
すると、途端に竦み上がったメイドが直角にお辞儀した。
「申し訳ございませんっ」
真っ青になって怯える姿にいくらか溜飲が下がり、使えないメイドをあしらうように手を振った。
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