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学年一の優等生様には
才能がないらしい。
# prsk夢小説注意
# 魔法学園パロ
2024/05/19
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美術室から出てきた彼女を
一言で表すならば、
茶髪のボブの美少女といったところだ。
片手はスケッチブックや
デッサンの参考書などでいっぱいで、
服は少しだけ絵の具で汚れていた。
服といっても制服ではなく、
多分部活用の服だろう。
「…あ!」
彼女は突然僕の方に近寄り、
一つの質問をぶつけてきた。
「…もしかして、私の絵、見てました?」
「え?」
「あ…勘違いだったらすみません。
ただ…私の絵の前に居たので。」
「…もしかして、東雲絵名さんって…」
「私です!」
「!」
目の前の彼女は、
絵を描いた東雲さん本人だった。
数十分後 空き教室にて
「えと…なんて呼べばいいですか?」
「んー…えなな…」
僕が呼び名を聞くと、
あだ名(?)が聞こえてきた。
「えなな?」
「あっ!えっと絵名!絵名でいいよ!」
東雲さん…もとい絵名さんは、
そう焦ったように言う。
筆を持ち、その筆の先には
赤色の絵の具が着いている。
キャンバスに筆をなぞらせていき、次第に
その絵は赤みを帯びた空の絵になってきた。
「じゃあ僕は夜でいいよ、絵名さん。」
「うん!よろしくね、夜さん。」
僕は読書、絵名さんは部からの
課題らしい絵を仕上げていて、
会話という会話もなかった。
だけど、苦とは思わなかった。
僕と絵名さんの相性は、
意外といいのかもしれない。
絵を魔法で描く人も居るみたいだけど、
絵名さんはちゃんと
自分で描いているらしい。
少ししかない会話の中で分かった理由は、
『自分で描かないと、描いた気がしない』
『魔法で描いてもそれは自分の絵じゃない』
ということだった。
そして、これは後から絵名さんに
聞い事だけど、
絵名さんは彰人のお姉さんらしい。
なんとなーく雰囲気は似てるかもだけど、
性格に関しては似てるとは思わない。
姉弟って言われたら
似てるって答えると思うけど。
「じゃあね、絵名さん。」
「うん。夜さん、またね。」
手を振りながら、僕は生徒会室に、
絵名さんは部室に向かった。
「よーし、頑張るかー…」
ハンドクリームを塗り、
パソコンを起動する。
「…そういえば、部活ごとの
出し物もあるんだよね。」
美術部の出し物はなんだろう、と
ふと気になった僕は美術部の
提出ファイルを見てみることにした。
「うーんと…あ、これか」
「『本物の絵画を当ててみよう!知識
クイズゲーム』、『絵の具の使い方クイズ』…」
美術部らしい出し物に、
僕は楽しみだなと思った。
「しかもこれプラス劇か…
時間配分すごいな…」
僕は副会長だけど、皆がどんな
練習をしていて、そしてどこまで
進んでいるのかは把握していない。
というか、把握できない。
だって全校生徒数9000より上だよ!?!!
把握出来たら凄いよ!?!!
なんなら9000超えて1万になってるかも
なんだよ!!!?!!
流石に僕も把握しきれないから、
みんなにも任せてるんだけど…
本当にみんな優秀。記憶力がいいから、
質問をするとすぐ返してくれる。
パソコンの電源付けるどころか
プリントすら見ない。
一時期は記憶力の天才かと
思っていたのを覚えている。
「…それにしても、絵名さん…」
僕はポケットから生徒手帳を開き、
東雲絵名の名が書かれているページを開く。
「なーんか、見たことあるんだよねぇ…」
「どこで見たんだっけな…」
僕が考え込んでいると、
ある一通のメールが届いた。
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