テラーノベル
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二年前にはできなかったことが、今は当たり前のようにできる。
けれど一つだけ、気になっていることがあった。
「依鈴って、サークル入るの?」
「まだ決めてない」
「興味あるところは?」
「特にないかな」
「じゃあ、俺のところ来れば?」
「漣くんがいるから?」
「……それもある」
「ふーん」
依鈴は少しだけ笑った。
「じゃあ、考えとく」
その返事だけで、俺は嬉しくなった。
夕方。
大学を出ると、依鈴がふと立ち止まった。
「ねえ、漣くん」
「ん?」
「二年前の夏さ」
その言葉に、俺も足を止めた。
「神社に行ったよね」
「ああ」
「また行きたい」
「……今から?」
「うん」
俺たちは、そのまま近くの神社へ向かった。
もちろん、二年前の場所とは違う。
それでも、境内へ続く石段を登ると、あの夏の記憶が鮮明に蘇った。
夕暮れの空。
蝉の声。
隣にいる依鈴。
「懐かしいね」
「うん」
依鈴が手すりに寄りかかり、町を眺める。
「二年前も、こんな感じだった」
「……あのとき、俺さ」
「うん」
「依鈴に、来年もここにいるかって聞いたよな」
「聞いたね」
「本当は、来年も会いたいって言いたかった」
依鈴がこちらを見る。
「言えばよかったのに」
「……言えなかった」
「なんで?」
「怖かったんだと思う」
「何が?」
「もう会えなくなるのが」
依鈴はしばらく黙っていた。
そして、小さく笑った。
「私も同じだったよ」
「……え?」
「来年も会いたかった」
胸が熱くなる。
「だから、二年後に会えたのはちょっと嬉しい」
「ちょっと?」
「かなり」
依鈴はそう言って、照れたように視線を逸らした。
その横顔を見て、俺は思った。
二年前、ここで終わったと思っていた。
でも違った。
俺たちの夏は、まだ終わっていなかった。
#溺愛
星キラリ

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大根おろし
42
#再会
イツカ
1,072
#もしも神様が居るなら
赤虎 鉄馬
136
「依鈴」
「なに?」
「これからも、一緒にいてくれる?」
依鈴は少し考えてから、いつものように淡々と答えた。
「……いいよ」
その一言が、今まで聞いたどんな言葉より嬉しかった。
コメント
1件
うわ、じわじわ来た……!二年前の「言えなかった」が、今「言えた」ことの重みがすごい。依鈴の「ちょっと」「かなり」の照れ隠し、可愛すぎるだろ。最後の「いいよ」の一言に全部詰まってて、泣けそうになったわ。あの夏の続きが、ちゃんとここにあるんだなって感じた。純恋さん、この距離感の描き方、めちゃくちゃ好きです🔥