「元貴の匂い嗅がせてー!」
「やだ!キモい!」
「ひどい!いいじゃーん、減るもんじゃないし!」
「自分の嗅いどけよ!」
「ってか、なんにも匂いしなくない〜?」
「涼ちゃんに至っては、全然嗅げてねぇのよっ。」
「えぇー!嘘だぁ!」
「人中の距離全然縮まってないから。 」
「えぇー!じゃあ、元貴は出来るの?」
「普通出来るだろ。ほら、、」
「え、その顔可愛い。」
「本当だ!可愛い!」
「入ってくんな!キモ井!」
「ねえ、キモ井は本当にひどい!」
「中学ん時からやってるけど、こればっかりは本当に意味分かんないからね!」
さっきからなんのやり取りをしているのかと言うと、とある動画で話した若井の人中の匂いを嗅ぐと言う癖があるんだけど、若井が急に、『人のココの匂い嗅いだ事ない!』と言い出し、その時、不運にも目の前に居たぼくの人中の匂いを嗅ごうとしているのだ。
もう、ただでさえキモい癖なのに、人のも嗅ごうとするなんて更にキモすぎる。
「意味分かるよ!落ち着くんだってばー。」
「なら、余計自分のだけ嗅いどけよ!」
「いやです!てか、キモ井て呼ばれて傷付いたので、強行突破しようと思います!」
「は?」
「涼ちゃん!」
「あいあいさー!」
「うわあああ!」
ガシッ。
ぼくは一瞬の反応の遅れが命取りになり、涼ちゃんに後ろからがっちりホールドされてしまった。
「嗅ぎます!」
若井は、動けないぼくの顔を両手で抑えると、少しずつ顔を近付けてくる。
「や、やだあー!」
何とか逃げ出そうと体を捩るけど、意外と力の強い涼ちゃんに抑えられ、抵抗虚しく、若井の顔との距離は僅か数センチ…
「クンクンっ。」
近っ!!!
ドキドキ…
いや!ドキドキってなんだよ…!
「え、なんかめっちゃいい匂いするんだけど。」
「え!なにそれずるい!僕も嗅ぎたい!」
若井はぼくの顔を掴んだままグイッと横に向けると、今度は涼ちゃんが僕の肩から顔を出し、顔を近付けてきた。
だから!近いって!
ドキドキ…
おい!ばか!だからドキドキってなんだよ…!
「えぇ〜本当だ!なんかいい匂いする!」
「でしょ?!」
「だあああ!もう!離せー!!!」
色々と耐えきれなくなったぼくは、涼ちゃんと若井を振りほどくと一目散にドアを開けて部屋から脱出した…
「元貴、顔赤かったね。」
「ね。てか、ワンチャン、ちゅう出来たよね?」
「ね。すれば良かった。」
「ちょっと〜抜けがけは禁止だからね!」
「じゃあ、緊急事態の時用にジャンケンしてどっちが先にちゅう出来るか決めとかない?」
「そうね!そうしよう!」
「いくよ!」
「いいよ!」
「「せーの!」」
「「じゃん!けん!ぽん!」」
-fin-
コメント
6件
いやぁ゙ぁ゙ッッ、、癒やされました....🫠
ほんと可愛い絡みだなぁ?!
ねええええなにこのほのぼの……可愛いすぎるよ。。大森さんの匂い嗅ぐ時の口の形が「にゅうううぅぅぅ⤴︎」と同じなの好きなんですよね。ほんと可愛い。