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神主の娘A子 BとCは玉砂利の一本道を進む。10分くらい歩くと森を抜けひらけた場所にでた。
野球場くらいの池があり、水面を月明かりが照らし幻想的な景色を描いていた。
池中心部分に何か人工物のような物が見える。
「こっからいけそうだ」Cが中心部まで行けそうな橋を見つけた。
昼間なら底まで見えるくらい透き通った水、3人は人一人分くらいの幅の橋をわたりだした。
「何この池」A子が指差す池は中央部の社に近づくつれ赤く濁り出していた。
先ほどまでの透き通った水は澱み赤黒く変色していた。
池の中央小さな社には、何かの屍が山積みなっていて、そのてっぺん部には鬼のような面が立てかけられていた。
「この骨は人骨じゃないよな」Cが二人に問いかける。
太いのもあれば、細いのもあるしなんの骨かわからない。
「これを代々神主様がまもっていたものか?」
キミは悪いものであるが、何か変わった様子はない。
「あーぁ、せっかく来たのにこんだけかよ」Bはもう興味をなくしてしまった。
「なんかこの面が斜めになってるのが気になるなぁ」とCは面を手に取り面を垂直に置き直した。
「バレる前に帰るべ」BはそういってA子とCを先導し橋を渡り出した。
3人の期待とは裏腹に、禁足地とは想像以下の場所であった。
祭りの最中に何事もなかったように戻る3人納涼祭は無事に終わり翌日。
A子とBは神社の境内にいた。
「Cの奴、昨日あんな元気だったのになぁ」
「様子見にいかない?」
Cは体調不良で学校を休んでいた。
A子とBはCの家にいった。玄関先でCの母親が二人を迎えた。
「昨晩から熱があってね、部屋で休んでいるのよ」
「ちょっとだけ顔出したら帰るんでいいですか?」
母親は快く受け入れCの部屋に向かった。
「俺だ、入るぞ」A子とBはCの部屋に静かにはいった。
「ゴホッゴホッ」Cは咳き込みながら布団にくるまっていた。
「C大丈夫か?」
「あぁ、熱があるのとちょっと体が痒くて」重たそうに体を起こしCが口を開いた。
「Cくん、なんで鬼の面がここに?」A子机の上に面がある事に気がついた。
「なんの事だ?」
「お前持ち帰ったのか?」Bが焦った口調で問いただす。
「俺は持ち帰ってない」
3人にしばし沈黙が訪れ、A子が切り出した。
「お父さんよんでくる」事の重大さを感じたA子は二人の返事も待たずに部屋を飛び出した。