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「……帰ろっか」
元貴がそう言うと、
涼ちゃんは小さくうなずいて、ゆっくり布団から起き上がった。
動きは慎重で、
まだ完全に戻っていない感じがする。
元貴が制服とバッグを差し出す。
「はい」
「……ありがとう」
涼ちゃんはそれを受け取って、静かに言った。
「ごめん、ちょっと外で待ってて」
「おけ」
元貴は何も聞かず、すっとカーテンの外に出た。
俺もそのまま、外側で立つ。
白いカーテン越しに、
影が動く。
ジャージを脱いで、
制服に袖を通す、そのシルエット。
(……)
思っていたより、細い。
無駄な線がなくて、
すっと伸びた背中と腰のライン。
(藤澤……)
正直、目を逸らすべきだったのかもしれない。
でも、なぜか動けなかった。
綺麗なスタイル、
でもそれよりも先に浮かんだのは、
(……ちゃんと、食ってない体だ)
そういう現実だった。
影が止まり、
着替え終わったのが分かる。
俺は視線を床に落とした。