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元貴said
今、俺たちは涼ちゃんの家へ向かって歩いている。
どこにあるのか、
詳しくは知らない。
でも、涼ちゃんは迷うことなく、
当たり前みたいに前を歩く。
そのテンポに、俺たちは合わせた。
(……少し、ふらついてる)
気づいて、
俺は自然に涼ちゃんの腕を取った。
「……ちょっと、掴まってて」
「うん……ありがとう」
拒まれなかった。
腕は、驚くほど細い。
力を入れすぎたら、折れてしまいそうで。
若井は少し後ろを歩いている。
いつもより静かだ。
夕方の風が、
体育館の熱をやっと流してくれる。
「……ごめんね」
涼ちゃんが、ぽつりと言った。
「二人とも、予定あったでしょ」
「そんなの別にいよ。」
俺は即答した。
その言葉に、
涼ちゃんは何も言わなかった。
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