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「おい!」
「しっかりしろって!おい!」
「美亜!!!」
ベッドの横で少年が叫ぶ。
「み……」
すると少年はすうっと気を失い、少女が寝るベッドの横に倒れた。
「ごめんなさい。カムイくんに美亜さん。」
「少しの間、眠っていてください。」
そう言いながらニヤッと不敵な笑みを浮かべる女性の手には、紙が握られていた。
[カムイが叫んだ時、美亜のベッドの横でカムイが気を失う。]
少年はこの紙の通りに気を失った。
「あと…2人。」
少女は、部屋を離れた。
私は全てを思い出した。
“能力”も使うことが出来る。
あとはもう、計画の通りに動くだけだ。
「皆さんも、こちらの方がいいでしょう?」
次は柑夏さんのもとへ…。
「記憶、ねぇ…」
柑夏は記憶とやらについて考えていた。
だが思い出そうとしても簡単に思い出せるものではなく…
「何かきっかけでもあればなぁ…」
「きっかけをお探しですか?」
声のした方に振り向くと、そこには腕を見せている提。
「提…ちゃん?」
反対の手にはカッターナイフが。
「見ていてくださいね。」
提はそういうと柑夏の目の前で腕を切ろうとした。
「だめぇ…!」
柑夏の呼びかけも虚しく、提は腕を切ってしまった。
「提…ちゃ…」
提の腕には血が伝っていた。
それを見た瞬間、柑夏の脳にはいくつもの情景が映った。
『あの子ってさ…』
『うん…変わってるっていうか…』
『私達も変だって思われたくないから話しかけないでおこう?』
『そうだね…』
──
『なぁあいつどう思う?』
『あいつなぁ…顔は可愛いんだけどなぁ〜』
『やっぱ喋り方とか変だしなぁ〜』
『それなぁ!ww』
「なに…これぇ…記憶?」
そしてその情景が止まった時、柑夏は今までの記憶を思い出した。
「…!!」
「思い出しましたか?柑夏さん。」
「思い…出したねぇ〜…」
柑夏がそう呟くと提は近付いてきた。
「柑夏さん。」
「なぁに〜?」
「また、協力して貰えますか?」
「うん、協力するよぉ〜。思い出させてくれてありがとうねぇ〜。」
提はここまで一人で頑張ったのだろうか。
柑夏も、頑張ろう。