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それでは、
どうぞっ。
ーーーーー
入社して3ヶ月。
美咲はようやく、この会社の空気に慣れ始めていた。
大手企業。
忙しい。
厳しい。
でも、その分やりがいもある。
_そう思える理由の半分くらいは、直属の上司のおかげだった。
💜「美咲、この資料の確認した?」
低く落ち着いた声。
顔を見上げると、桜花がデスクの横に立っていた。
完璧だった。
仕事ができる。
顔もいい。
話し方も綺麗。
取引先からも信頼されていて、社内でも有名な存在。
しかも若い。
だから憧れる人も多かった。
美咲もその1人だった。
🧡「……あ、すみません。今やります。」
💜「焦らなくていいよ。」
桜花は軽く笑う。
その笑顔だけで、周りの空気が柔らかくなる。
優しい。
ちゃんと見てくれる。
ミスをしても頭ごなしに怒らない。
だからみんな桜花を慕っていた。
_でも、
それは“表向き“の話だった。
桜花は、人の弱みを見るのが好きだった。
最初はただの興味だった。
“完璧に見える人が崩れる瞬間ってどんな顔するんだろう。“
軽い好奇心。
でも、一度知ってしまったら妙に癖になった。
不安そうな顔。
依存していく過程。
自分の言葉ひとつで感情が揺れる感じ。
それが楽しかった。
自分でも最低だと思う。
でもやめられなかった。
そして最近。
桜花は新しい“お気に入り“を見つけていた。
美咲。
真面目。
素直。
感情が顔に出やすい。
しかも、自分への好意が隠しきれていない。
分かりやすすぎるぐらいだった。
だから、少し試してみたくなった。
💜「美咲。」
残業中。
フロアにはもうほとんど人がいない。
桜花が背後から声をかける。
🧡「はい?」
💜「コーヒー飲む?」
🧡「え、」
💜「私も休憩したいし。」
美咲は一瞬固まった。
2人きり。
しかも桜花から誘われた。
断れるわけがない。
🧡「…、行きます。」
桜花は小さく笑った。
“本当分かりやすい。“
そう思いながら、会社近くのカフェ。
閉店間際で人は少ない。
桜花は自然に美咲の向かいへ座る。
💜「最近どう?」
🧡「え?」
💜「仕事。」
🧡「、頑張ってます。」
💜「緊張しすぎ、笑。」
桜花が笑う。
美咲は少しだけ恥ずかしくなった。
桜花はこういう距離の詰め方が上手い。
気付けば自然に心を開かれる。
💜「美咲ってさ、」
🧡「はい。」
💜「ちゃんと褒められ慣れてないでしょ。」
図星だった。
桜花はコーヒーを飲みながら続ける。
💜「頑張ってるのに、自分に自信ないタイプ。」
💜「でもね、そういう人ほど伸び代がある。」
静かな声。
真っ直ぐ見られる。
その視線だけで、胸が熱くなる。
嬉しい。
認められてる。
もっと頑張りたい。
桜花に見てもらいたい。
そんな感情が、少しずつ大きくなっていく。
それから、桜花は少しずつ美咲を特別扱いし始めた。
ーーーーー
💜「この案件、美咲に任せたい。」
🧡「え、私ですか?」
💜「うん。期待してるから。」
その言葉だけで、美咲は簡単に頑張れてしまう。
残業も苦じゃない。
桜花の隣に居られるのなら。
褒めてもらえるのなら。
でも、桜花は飴だけじゃ終わらない。
💜「これ、誰が作った?」
会議室。
静かな声。
美咲の肩がビクッと震えた。
🧡「…私です。」
桜花は資料を見下ろしたまま言う。
💜「ミス多いね。」
冷たい。
いつもの優しい声じゃない。
周りの社員も静かになる。
美咲は一気に頭が真っ白になった。
🧡「すみません、…」
桜花は小さくため息をついた。
💜「期待してたんだけどな。」
その一言が刺さる。
胸が痛い。
桜花に失望された。
それだけで胸が苦しくなる。
でも、会議が終わった後。
桜花は美咲を呼び止めた。
💜「落ち込んだ?」
🧡「…」
💜「ごめんね、少し言い過ぎた。」
優しい声。さっきまでと別人みたいだった。
美咲は何も言えない。
桜花は困ったように笑う。
💜「でも、美咲ならできると思ってるから。」
その言葉で、また簡単に救われてしまう。
桜花は知っていた。
もう美咲は、自分の言葉ひとつで揺れる。
褒めれば嬉しそうにする。
冷たくすれば不安そうにする。
視線を向けるだけで、期待する。
完全に沼に落ち始めていた。
最低だ。
本当に。
でも、
美咲が私を見て、一喜一憂する顔がたまらなく好きだった。
🧡「先輩。」
深夜のオフィス。
2人きり。
美咲が小さく呟く。
🧡「私、ちゃんとできてますか。」
桜花はその顔を見る。
不安そうで、縋るみたいな目。
💜「うん。」
桜花はゆっくり微笑んだ。
💜「美咲、私のこと好きすぎるね。」
その瞬間。
美咲の顔が真っ赤になる。
否定できない。
桜花はそんな反応を見て、静かに笑った。
やっぱり可愛い。
“壊したくなるくらい“
end
コメント
1件
**美月ゆめか🌸の感想** やばっ、これ完全に沼に落ちるやつじゃん…!!!😭💕💕 上司・桜花さんの「褒めて伸ばす♡」から「冷たくして不安にさせる♡」の切り替えエグすぎて、読んでて背筋ゾクゾクしたよ〜…美咲ちゃんの一喜一憂に全部気づいてて「壊したくなるくらい」って思うの、サイコだけど癖になるわこの関係性…😇📕 美咲ちゃんの「私、ちゃんとできてますか」って縋るような台詞、切なすぎてもう抱きしめたくなった🥺💔 続きどうなるのか気になって夜しか眠れない…!早く次話読みたいよ〜!!!🙏✨