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無一郎夢日記6.遊郭にて
※描写はないですが一応 危険な要素を含みます
登場人物
時透無一郎 霞柱、
趣味は折り紙(紙飛行機をよく折る)
琴織星夏 星柱、
趣味は星を見ることと折り紙(鶴をよく折る)
竈門炭治郎 優しく明るい鬼殺隊員
我妻善逸 よくはしゃぐ鬼殺隊員
嘴平伊之助 元気な鬼殺隊員
宇髄天元 音柱、派手にイケメン!
________________
かくして私は遊郭に潜入へ行くことになった。行くのは走りだった…
宇髄さんと炭治郎くん一行と合流し、吉原へ向かう。それにしても宇髄さん速いな。本気にならないと抜かせなさそう。
そう思って一斉に走り出すと、炭治郎くんたちが話しかけてくれた。
炭治郎くん「星夏さんお久しぶりです!また会えて嬉しいです!
このたびはよろしくお願いします!(ペコッ)」
善逸くん「星夏ちゃ~ん♡よろしくお願いします!」
伊之助くん「おい星柱ぁ!あとで俺と勝負しろ!」
私「お久しぶり!こちらこそどうかよろしくね…!
(ペコッ)
善逸さんも伊之助くんもお互い頑張ろうね!
(勝負は難しけども…)」
善逸くん「(えっ…ええ!?
始めて名前覚えて貰えたぁぁあ!嬉しすぎるぅ)」
私「あと、炭治郎くんたちのほうが年上なんでしょう?(しのぶさんに聞いた)
三人とも敬語は大丈夫だよ」
炭治郎「(すごい…やっぱり子供にはみえない…
)でも、そういうわけには💦」
私「いいんだよ!私も子供なんだし…そうしてくれたら嬉しいっ!」
炭治郎くん「星夏さん…!ありがとうございます」
宇髄さん「…。」
こんなに個性豊かな隊員と話したのは初めてだった。そもそも隊員と会うこと自体ほとんどなかったからもあるのかなぁ。面白かったし、この機会に仲良くなることが出来た。もっとみんなと仲良くしたい…!
私「__そっかぁ。炭治郎さんたちはいつも三人で仲良しなんだね。羨ましい…私には同期の仲間や、友人がいないから」
柱になるまで人といるのが怖くて、鬼殺隊員とは全く話そうとしても出来なかった。なので友達も、同期の仲間もいない。柱になり、表向きにたってからは隊士たちに慕われて仲良く慣れるようになったけどそういう存在はもう出来ないんだろうな…
まあ時透さんは別なんだけど。
炭治郎くん「そうなんですか…。…!
そうだ、星夏さん!
俺達と友達になろう!」
私「えっ…」
炭治郎くん「仲良くはなして目を合わせたのなら友達なんだよ(o´∀`o)」
私「…面白いね!炭治郎くんはっ
(クスッ)ありがとう✨」
三人「(笑顔がかわいい)」
そうやって話しているとすぐ吉原に着いてしまった。
宇髄さん「お前らついたぞ、
ここが吉原遊郭だ。」
そこには夕暮れ時とは思えないほど明るく、華やかな街だった。
炭治郎くん「ここが遊郭…。夜なのに昼みたいだ。」
どこを見てもとにかくピカピカのギラギラで夜の街って感じ
善逸くん「綺麗なお姉さんがいっぱいだぁ」
宇髄さん「おい離れるな!そっちにいくな!
それにお前にはまだ早い💢」
潜入のための服はさっき買ってきたが、どこで着換えようか。宇髄さんに聞いてみた。
私「潜入とは行ったものの…服はどこで着換えますか?あの三人も色々必要でしょう…?」
宇髄さん「そうだな。あの空き小屋でまず琴織、着換えてもらっていいか?」
私「了解です!」
善逸くん「宇髄さん、ぼくも彼女と一緒にグォォ!」
宇髄さん「__お前は黙れ」
炭治郎くんと伊之助くん「………」
小屋に入った。鬼殺隊の給料は比が比じゃないので自分の好みの綺麗な着物と化粧品を買えた(潜入なのでもちろん安物だけど)。よし、こんな感じでいいのかな…?お化粧は買った本を見てやったけどちょっと心配…。まああとはもう帯を結んでっと、
シュッ
いい感じ…?蝶結び前からじゃよく見えないけど、炭治郎くんたちに確認してもらおうかな?
…この帯、時透さんの瞳の色に似てるな…
あれ、そういえば
時透さん元気かな。なにしてるかな。
なんでこんなこと思うんだろ。ここ最近ずっと一緒だったからかな?稽古も一緒任務も一緒食事も一緒…家族みたいにずっとついてきたから。
家族…っ…
もう考えるはやめよう
着替え終え、小屋からでた。
私「お待たせしました。」
濃い蒼と薄紫色を台に、天の河の純白の星々と、藤の花の花畑を飾った着物を着て私はみんなの前へ見せてみた。なぜか一瞬みんな固まっていた。化粧変だったかな?どこか服ずれてる…?
善逸くん「ぎゃぁぁ!超絶美人現れたんだけど!?なんでそんなに綺麗なんですか?」
炭治郎くん「きっ、綺麗です///すごく!」
なんでふたりとも敬語…
伊之助くん「ポワー」
宇髄「おお、派手でいい感じじゃねえか!それで頼んだぞ!」
どうやら違和感はないみたいだ。褒められてうれしい…。頑張らないとなあ
私「ありがとうございますっ…!
これで頑張ります。炭治郎くんたち、次どうぞ!」
三人「はーい」
そうして三人も入っていったのだが…
炭治郎くん「いや星夏さん着換えはやくない!?どうやったらこんな早く終わるの!?光の速さだったよね?」
善逸くん「そうだね!ところで帯ってどうやって結ぶんだろ!?」
炭治郎くん「どうやんのこれムズ?!伊之助わかる?」
伊之助くん「わかんねぇ!破きてぇ!」
どうやら苦戦しているらしい。大惨事っぽい。そして宇髄さんの顔が何やってんだって表情で作画崩壊している。
私「…にぎやかですね…」
宇髄さん「な」
宇髄さんが作画崩壊した顔で呆れたようにいう
宇髄さん「ああもうおっせえから見てくるわ」
私「はっ、はい」
はやく戻ってこないかな…二十分はかかってる気がする。その間に花街の様子でも__
スーッ__
時透さん「…」
私「えっ?」
いま__時透さんがいたような?気のせいか。第一時透さんがこんなところ来るはずないじゃん(^-^;でも…もしかしたらあの年で遊んでるんじゃ…?いやいやいや!そんなわけ_
がらっ!
勢いよく襖が開いた。終わったようだ
炭治郎くん「星夏さん!宇髄さん!お待たせしまた!」
そこに現れたのは…っうん
私「おおお~…すごいね…(?)」
炭治郎くん「ありがとう!!」
出てきたのは着物を着て、強烈な化粧をした三人だった。そして宇髄さんは…
宇髄さん「__待たせたな」
かっこよかった。やばいめっちゃイケメンだった。すると顔が赤くなって反射的に下を向いてしまった。
私「大丈夫です」
炭治くん郎「(星夏さん一瞬顔赤かったけど大丈夫かな?)」
善逸くん「なんだよ(T-T)こいついい男じゃねえか💢
(星夏ちゃんが恥ずかしがってる(怒))」
伊之助くん「?」
宇髄さん「ほら行くぞ」
炭治郎くん「手分けして探しますか?」
宇髄さん「それぞれ雇われた店でよく捜索しろ。
だが、琴織。お前しかまともに働かせてもらえるやつはいねぇだろうから、三人のうち一人と同じ店でこいつらの仕事、接客を肩代わりして捜索に集中させてやれ、仕事がないときは俺と捜査だ」
私「承知しました」
宇髄さん「ただ、気をつけろよ。金さえあればいろいろと許されてちまうからな。なんとか切り抜けてくれ」
え、こわ、まだ一応十四歳なんですが…
※宇随さん→時透さん→星夏にさっき遊郭についても教えてもらった
心配だけど、任務でしかいないんだから大丈夫か!
そしてときとやに訪れた。
やり手「その銀髪の子はもらおうかな。あとは__ちょっと…」
三人のお化粧はちょっと個性が強すぎて…もらわせてもらえないみたい…。
宇髄さん「そこをなんとか頼むよお」
やり手「_ボッ///そこまでいうなら。その赤い髪の子ももらおうかしら。真面目そうだし…」
でも宇髄さんの美貌でなんとかなるみたい!?
私「ありがとうございます!」
炭治郎くん「一生懸命働きます!」
すると宇髄さんが小声でいった。
宇髄さん「毎朝五時に報告に来い。鬼が来たら全員でやるぞ。よろしくな」
私「はい」
そうして私は炭治郎くと共にときとやへ働くこととなった。
炭治郎くん「この荷物も運びますか?」
私「そうじお手伝いします。それもお任せください、後輩ですから」
遊女さん「まあありがとう💦助かるわ~♡」
まず最初は信頼を得るためとにかく働いた。二日もするとみんなとも仲良くなり、情報も聞き出せるようになってきた。そして二人で洗濯物をたたみながら二人よく話し合った。
私「炭治郎くんは隙があったらとにかく鬼を探してくれる?その間私も気配を探るけど、私は本格的に仕事が入って集中できないかもだから」
炭治郎くん「…わかったっ!」
私「ごめんね。色々任せちゃって…戦うときはもっと役に立つから…」
炭治郎くん「いやいやΣ( ̄□ ̄)逆に柱である星夏さんと一緒ですごく安心してるんだ…」
私「…ありがとう」
その言葉を聞いたとき、こんな私でも少しは人の役に立てるんだと思った。炭治郎くんはたまにドキッとしたことを言う。
炭治郎「どういたしまして!」
それからさらに五日たった。潜入にも慣れてきたが、みんな一向に鬼と遭遇しない。伊之助くんは気配を感じたらしいが、善逸くんが消息をたち、緊張した雰囲気が流れていた。宇髄さんは帰ってもいいと言ってくれたが、善逸くんを助けるためにも潜入を続けた。
客の対応も何度かあったが距離を置きながらお話ししてなんとか切りぬけた。
私「この隠れ方の上手さ__上限の鬼じゃないかな?」
炭治郎くん「本当…?」
私「もしそうなら誰が見つけてもすぐ加勢できるよう準備しなくちゃね」
炭治郎くん「わかった…!」
真剣な顔で炭治郎くんは応えた。
がらっ
誰か来た。あっ、上司の桑原さんだ。
桑原さん「炭子ちゃん、力持ちだったよね?倉庫にある荷物を運んでくれないかい?花魁のところまで届けてほしいんだよ」
炭治郎くん「はい!もちろんです!」
私「それならわたしもっ…!」
炭治郎くん「星夏さんは大丈夫!すぐ終わるので待っていて~…」
がらっ
…手伝えなかった。
とりあえず洗濯をたたみ終えるか…。
そしたらまだ荷物があったら手伝えるようにしよう。
時透さん…ちゃんと洗濯ものできているのかなあ?
この前の任務で隊服に穴開けて注意してっていったけど覚えてなかったらどうしよ…
それに夕飯だって、ご飯だって炊けないみたいだから心配だし。前は隠の人に頼んでたんだっけ…
あと…
______なんで時透さんのことばっかり…
どっどどっ
って誰か来た?炭治郎くんたちじゃないな。
人だろうけど…お客様かな?
がらっ
見知らぬがたいのある男性?お客様?
どばっ
星夏「あっ💦」
畳んでた洗濯ものが…踏んで撒き散らされちゃった。
男「ここにせなっていう花魁じゃねえのに美人な遊女がいるって聞いたんだが、お前かぁ!?」
星夏「は、はいっ!私でございます。
(ペコリ)」
男「ぐへへっやっぱいい顔してんなぁ…」
えっ?
どさっ
押し倒された
いきなり?
こっこれ…
まずい…っ
星夏「すみません、いきなりちょっとそういうのは…」
男「うるせぇ!金はいくらでもやるから好きなようにさそろよ」
星夏「でも…」
手首を捕まれてて逃げれない。
筋力の量は波の女の子くらいしかないから体を掴まれたら終わりだ。
星夏「やっやめてください…!」
男「うっせえ黙れよ!」
鬼でもない人に護身なんて使えないし…
でも彼の力を利用して手首を解けば…
さすがに抵抗しないとっ__
男「お前ら見たいな遊女は貧弱で価値もない男の欲を満たすだけの玩具だろうが!」
それを聞いた途端、私は動けなくなった。
顔は真っ青になったと思う。
『お前みたいなやつには価値がない』
『満足いくまで…てやる』
声がでなくなった。
震えと涙も止まらない…
…吐き気もしてきた。
呼吸もみだれて…
思い出してしまったからだ。彼の言葉が芯に突き刺す。
触覚はなくしたはずなのに、あの感覚が蘇る。
恐怖で震えた。
だれかたすけっ…
いや
私は生きている価値のない人間だから、こうなっても仕方が無いのでは無いか
だって私は…私…は…
男「泣いても叫んでも止めねぇよ。
だまって満足いくまで俺を__」
時透さん「おい、いい加減にしろよ」
感情は見せないのに、
いつもより冷徹で低い声
男「…!?」
ひゅん
ばたっ!
時透さんが…来た
彼を蹴り飛ばしてしまった。
男「…いってぇ、てめえふざけんなよ!
ガキのくせに!」
時透さん「ふざけてるのはお前だろ。
それに俺はお前より金を払ってるし、はやく消えなよ」
男「ちっ、ガキのくせに…」
ドタドタ…
時透さんに圧倒されたのか彼は逃げていった。
時透さん「大丈夫?」
時透さんに起き上がらせてもらったとき、
力が抜けた。涙が止まらなかった。
時透さん「…」
私「…ときとうっ…さん…」
ぎゅっ
なにも言わずに私を…抱きしめてくれた。
彼の長い髪が、私の頬をくすぐって、
私を囲う腕は、力強いのに優しさも感じる。
なんでだろう、触れられいるのはさっきと一緒なのに
温かいな…
私「時透さん…どうしてここに?」
一週間ぶりに彼と会って、なんだか安心感がすごい。
時透さん「…初めて潜入するって聞いたから」
私「心配して来てくれたんですか?
ありがとうございますっ…」
彼に抱きしめられて、涙は溢れ続けた。震えは次第に消えてただただぬくもりを感じている。今だけは何が来ようがなんでもできる気がした__
それから何時間もたったように感じたが、実際には数分がたったと思う。
すると、
いきなり時透さんはまた冷徹な顔で横を向いた。
だれか来る…!
ガラッ
シュンッ!
私「うわっ___」
炭治郎くん「あれ?星夏さん…いない?」
炭治郎くんだ…仕事を終えて戻ってきた。
そして時透さんと私はとっさに押し入れに隠れていた。
暗くて何も見えない…
時透さんは私をぎゅっと抱いたままこの狭い押し入れで隠れ続ける。でも、なぜか私の心臓はドクドク聞こえそうなほど鼓動がなっていた。彼の息が吹きかかる距離ですごく体が熱い。
炭治郎くん「どこいっちゃったんだろ…」
ガラッ
時透さん「…いったね」
星夏「…はい」
やっと押し入れからでられた。するとすぐに時透さんは口を開く。
時透さん「きみ、お人好しだから強気な人間に抵抗できないでしょ?危なかったね」
私「_面目ないです」
私が洗濯ものを畳み直していると、なにも言わずに、時透さんはこのまま一緒にいてくれた__
…やっぱり温かい
_______________
彼女が泣いて苦しむ姿を見て__
初めて、怒りを覚えた。
抱きしめて…
優しい感覚がした
その時だけは何があっても上手くいってしまいそうな、気もした
心配でついてきたら、やっぱり彼女は人がよすぎて、客に抵抗できずに…。
来て正解だったな。あいつの言ってるとは人間の中で一番最低だと思った。涙がでるのも無理はない。
それに、ぼくも昔似た様なことを言われたけきがして
すごくいやな気持ちになったし…
ここにずっといたら彼女の任務の邪魔だ。でも…ここにいると温かくなる。
ぼく「…ごめん、これ任務の邪魔だよね。」
星夏「いえ、…洗濯を畳んでいるだけなので今は大丈夫です。
本当にありがとうございます。助かりました」
その後彼女の仕事も終わり十分ほどしてぼくたちは立った。
彼女は同じ潜入をしていた隊士と合流するようだ。
ぼくも…帰らないと。
…そう部屋から出ようとしたその時__
_________________
突然、遠くから鬼の気配がした。
いままでにない強さ…上弦の鬼だ。
とっさに私達は刀をもって急いで建物から出ようとした。しかしっ__
バァァン!
建物が崩れてきた。鬼の攻撃がここまで来たんだ。刀を構えたが一瞬のうちにありとあらゆるがれきで崩れて多くの人が外に出ようと悲鳴を上げながらあわてて走っている。
まずい
助けないと。
奥の部屋に空いている窓を見ると、炭治郎くんが鬼に吹っ飛ばれていた。この威力で確信した…やはり上弦の鬼だ。建物から落ちる炭治郎くんと目が合った、もう酷い有様でボロボロ…
炭治郎くん「霞柱さん!星夏さん!人を避難させて逃げてください!崩れますっ__」
上弦の鬼「人の心配してないで自分の心配しろよなぁ?」
どがっ
炭治郎「ぐはぁっ!」
星夏「炭治郎くんっ!」
炭治郎くんが追い詰められてる、たすけにっ…
きゃあきゃあ
みんなの叫び声が聞こえる。
炭治郎くんの言うとおり人の避難が先だ。
大勢の人が潰される。時透さんもそう判断したみたい。
星夏「みなさん安全な出口はあそこです!速く逃げて!」
あしを怪我した女性「きゃあ!瓦礫が…」
しゅんっ
時透さんは動けない人を運んでいた。速い判断力と連携で避難はとんとん拍子に進む
無一郎「荷物をまとめる時間はないよ、速くあそこへ逃げて」
星夏「みなさん!あっちです!はやく_」
ドガッ
星夏「わっ…」
無一郎「…っ(まずい)」
…人をかばいながらでは、視界の外側から来る無数のがれきは避けきれず、頭に岩が命中し出血した。崩れはさらにひどくなりっていく。私が最後の人を避難させていたので、周りは時透さんががれきをどかしてくれた。
星夏「外に出ても一気に残骸が来ますっ!逃げてください!」
なるべく大きな声で周りの人が崩れる残骸に巻き込まれないように避難を呼びかけていると…
ごおおおおおおおぉ!
建物の限界がきた。もう崩れる。最後の男性で建物から出た人はいないはずだけど…
無一郎「もう人はいないはず、逃げるよっ」
星夏「…はい」
桑原さん「きゃぁっ!」
建物の奥の方から悲鳴が聞こえる。上司の桑原さんだ!一人だけ、がれきに挟まれて建物からとり残されていた。私は急いで向かった。でも_
無一郎「あの距離じゃもう間に合わない!たったひとりぐらいなら被害は十分押さえられたでしょ?逃げるよっ_」
時透さんは私の手を必死に掴んで三階の屋根から二人で跳び降りようとした…でも
ばっ!
その手を振りほどき、時透さんだけを屋根から突き飛ばした。私から出たと自分でもえられなかった威力で
私「時透さん…一人の命だって重大ですよ。それに、お世話になった桑原さんをおいていくわけにはいかないかないんです。」
安心してもらえるよう微笑んで…
また走り出した
無一郎「…っ!」
星夏「先に戦闘に向かってください!」
急いで彼女のもとへ向かった。
星夏「危ない!」
ほぉぉぉぉ…
星の呼吸 参の型 星雲の洸
どしっ!びゅん!
彼女に落ちてきた大きな瓦礫を受け止め
星の呼吸 伍の型 天の河
じゃきじゃきじゃきん…ばぁぁん!
挟まった瓦礫を吹き飛ばした
桑原さん「星夏ちゃん!?ありがとっ__きゃぁ!」
さらに大きな木の残骸が降ってきた。
星夏「星の呼吸 弐の型 伴星詠月」
じゃきじゃきん!
刀でバラバラにし、なんとか落ちてくる屋根をよけながら全力で逃げたが、崩壊寸前で女性を運びながらの移動は命取りだった
急げ…急げ…
…!
玄関がみえた!
でも__
どがぁっ!
瓦礫が頭の目前まで…間に合わない、それなら__
1階に降りて幸いだった。桑原さんだけを建物から遠くへ跳ぶよう押しだし、ぎりぎり彼女の命は助かった。あの位置なら瓦礫から逃げられる…よかった
私はもう死ぬけれど、最後に人を助けられたから大丈夫。もう思い残すことなんてないしね__
どかっ
肩に残骸が落ちた。私は倒れた
そして前から後ろからも、上からも石の壁が降ってくるっ…
時透さん「__せなっ…」
がしっ
私「えっ」
建物からでたはずの時透さんが私に覆い被さる。大きな音を立てて建物は完全に崩壊した。
私達は建物に潰された。
私「時透さん!?なんで…」
暗闇の中、時透さんの息と建物の残骸がきしむ音だけが聞こえる。夜だし視界は真っ暗で何も見えない。
時透さん「…」
ぽたっ__ぽたっ
私「…時透さん!」
血が垂れている。私も手足が残骸に埋まって様々な箇所の体が切れているのがわかる。時透さんの傷は大丈夫だろうか…。両腕が挟まれて動けない。でも位置的に恐らく腹部を怪我している。この出血量、死んでてもおかしくない。助けないと__
時透さん「どうして__きみはどんな人にも優しく_するの…?」
私「時透さん…出血っ」
無一郎「…答え_て_よ」
小さかった時透さんの声がさらに聞こえずらくなっていく。腕を引っ張り必死に抜こうとしてもなかなか抜けない。
星夏「私は…私は人の役に立つためだけに生まれてきたからです__」
お館様はこんな力を持つ私を受け入れてくれた。だが多くの人はそうは認めないと思う。
隊士のみんなは優しいけれど、命の呼吸を使ったら化け物といわれるのも当たり前。
時透さん「どうして…そんなこと言うの?きみは柱で、どんなものを持っていようが、貴重な__命でしょ__」
私「えっ?」
時透さん「なんでわからないの?
君が死んだら……こま__」
私「時透さん!時透さん!
…ごめんなさい、巻き込ませて__」
このまま何もしなかったら時透さんは死んでしまう…抜けろ!なにがあっても助ける!
ずばっ!
引っかかれたような音をたてて腕が抜けた。多分肌があちこち切れて壊死しかけてる。でも力は…使える
まだ、助かる
私が やれば
やっぱり怖いなぁ、手震える
時透さんにはこの力見せたくない
…でも
鬼殺隊のみんなは私を助けてくれた。
私もみんなを助けたい。
もし嫌われても、彼を助けたい__
人を救いたい
彼に手を伸ばし、治癒の光を放った。
ピカァァア…