【俺に感情は無いけれど】
貴方は感情を表に出せていますか?
感情があることの大切さ、自分が自由に生きる権利があることが大切であるとわかる物語。
プロローグ
研究者「目を覚ましたか?日帝くん」
俺はその日生まれた。
日帝「、、、、ここは」
その頃の俺にはわからなかった。
研究者「ここは研究所だよ。君は実験体として私に作られたんだ」
日帝「実験、、体」
研究者「そうだよ。君の名前は日帝。いいね?」
日帝「、、、はい」
その研究者は俺を作ったこと、俺の名前だけを話した。
そして、しばらくはその研究所で過ごした。
俺を作った日を境に研究者は姿を消した。
何も感じなかった。
第1話【生まれた実験体】
それから俺は別の研究所に引き取られた。
そこは正直に言えば地獄だった。
まず、朝4時に起こされ、散々働かされ、その後は実験に使われた。
変な注射を打たれたり無理に俺を実験しようとしたりした。
俺は日に日に思っていた。
『外に出たい』と。
だから俺はある日の真夜中、施設を出た。
外 の空気は吸っていて気持ちよかった。
居心地悪い施設の中とは違った。
その日はとにかく眠たくて、外で寝た。
俺からしたら外に出れたことで快感を感じていた。
イタ王「、、、み!君ー!」
俺はその声で目を覚ました。
すっかり晴れた朝だった。
ナチ「大丈夫か?そんなところで寝てるのは心配だ」
ナチ「大丈夫!?何かあった!?」
そいつらは俺を気にかけているみたいだった。
俺はとにかく怖くてそいつらから離れた。
日帝「だっ、、誰だ!?」
ナチ「俺達のことが、、怖いのか?」
日帝「怖くなんかない、、!誰だ、、、!?」
俺はそのとき膝をついてしまった。
そうだ。昨日の昼から何も食べていなかった。
ナチ「、、どうしたんだ?大丈夫か」
日帝「腹、、減った」
イタ王「お腹空いたんだね!はいこれ」
そいつはそう言うと1切れのパンを差し出す。
俺はそいつからパンを奪うように取ると1口パンを齧った。
日帝「うまい、、、」
イタ王「でしょー!?よかった!」
ナチ「丁度良い。俺達も朝ご飯まだだったな。家に帰って食べるか」
イタ王「おー!いいねぇ」
そんな会話を目の前でされて、何を言えばいいのかわからない。
ナチ「お前も俺達と来い」
そいつは俺に手を差し出した。
日帝「、、、、、」
俺は何も言わずそいつの手を握る。
そいつの家に行くと沢山の料理が出てきた。
見たこともない料理もあって俺は少し困惑した。
ナチ「お前、名前は?何ていうの」
そいつは俺に聞いてきた。
日帝「、、、日帝」
イタ王「日帝ね!僕はイタ王!」
ナチ「俺はナチス」
日帝「ナチス、、イタ王、、」
ナチ「俺は病気があってな。生まれつきだよ。
だから友達はイタ王しかいなくて、、しかも自分に自信が持てないんだ」
日帝「友達、、、」
イタ王「僕はねー!とにかく元気なんだぁー!えへへ。で、故郷に病気の父さんがいるんだ」
2人はいい人みたいだった。
俺からしたら『光』だった。
日帝「俺は、、、日帝。実は俺、、、実験体なんだ」
生まれてからここまでの話をしているとき、2人は黙って話を聞いていてくれた。
俺はすっかり2人に心を開いた。
ナチ「そんなことがあったんだな」
イタ王「大丈夫。これからは僕達で助け合って生きていこう!」
ナチ「イタ王大袈裟」
少し微笑んでナチが言う。
それに対してイタ王も笑った。
俺もつい、微笑んでしまった。
ナチ「あ、日帝が笑った」
イタ王「日帝の笑った顔、初めて」
少し微笑んで、でも少しからかっているように2人は言った。
俺は少し照れ臭くなった。
ナチ「日帝はさ。笑ってた方がいいよ」
イタ王「うん!笑顔似合う!」
優しい笑顔で言う2人。とても優しかった。
その日の夜、約束した。
ナチ「この町で、この3人でずっと一緒に暮らそう」
この時間がとても暖かかった。
ずっとこの2人と一緒にいたいと思った。
絶対に守りたいと思った。
俺は今までとは違う世界に感動していた。
コメント
2件
良いですねぇ~実験体。でもそれ以前に生き物を大切にするイタ王の行動が良いですねぇ~