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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

15 - スーツをスマートに着こなした、絵になる彼の正体 -15-

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2024年06月23日

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──食事をし終えて、口休めにアイスコーヒーを飲みながら、片手で頬づえをつきぼんやりと考え込んでいた。


「この後は、何をしていようかな……」


退社時になるまでただ待っているだけでは、時間を無駄に持て余してしまいそうだった。


「そうだ、絵を描こうか」


スケッチブックを取り出して、社内の風景を気の向くままに鉛筆描きで写生してみる。


ビュッフェ内では、社員の方達が思い思いに食事をしながら談笑をしていて、楽しげに笑い合っている様子は、イラストにもしやすかった。


「みなさん、いい表情をしていて……」男性も女性も、社員の方々は誰もがストレスなく生き生きとして見えて、明るい社風をスケッチに起こすのは私自身も楽しくなるようだった。


笑っている顔や、美味しそうに食べ物を頬ばる顔などをいくつか描き出している内に、スケッチブックの数ページがあっという間に埋まった。


「……絵になるなぁ。蓮水さんもだったけれど、社員の人達もイラストにしがいがあって」


鉛筆描きの線をペンでなぞって、カラーマーカーで色を付けていると、


テーブルに置いていたスマホがにわかに振動をして、着信を知らせた。画面を覗くと、昨日携帯番号を教えてもらったばかりの蓮水さんから連絡が入っていた。


「はい!」


持っていたペンを咄嗟に手離して、電話に出ると、


「君か。これから、紅茶でも飲みに行かないか?」


低くよく通る声が通話口から聞こえてきた。


「紅茶をでしょうか?」


「ああ、少し時間ができたんで、君と話でもしたいと思ったんだが」


「わかりました、それでは下でお待ちしています」


電話を切ると、スケッチブックとペンケースをカバンにしまい、待たせてもいけないからと一階のエントランスロビーへ足早に向かった──。

ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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