テラーノベル
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朝になって、ご機嫌な調子で起こしてきたのは珍しくもトラゾーさんだった。
「みんな起きた〜?」
朝に強いタイプなのか、朝から騒々しいなと心の中で微かに笑った。逆をいえば、僕を入れた他のみんなは眠そうな目を擦っている。
そんな僕たちの目を大きく見開かせたのは、新聞のある一切れだった。
「……”PKST団への挑戦状”?」
僕がその一文を読んでみれば、トラゾーさんは「そう!」と大きく頷いた。
その一文をみんなも驚いているのかまじまじと眺めている。クロノアさんはいつも通り薄い反応だが、ぺいんとさんは目をキラキラさせて見ていた。
「すっげー! ついに有名になっちゃったかー!!」
昨日の暗さがまるで嘘のように、その場は明るくなる。というか、昨日の暗さが異常だったのだけれど。
ただ心配なのは、昨日落ち込んでいたぺいんとさんだ。休暇が欲しいと言ったのはきっとみんなのためでもあったのだろうけれど、きっと自分自身の休暇も欲しかったはずだ。
「内容としてはどうなの?」
クロノアさんの質問に、待ってましたとトラゾーさんは新聞を持ってわかりやすく説明をし出した。
要約するとこうだ。
PKST団に、ある宝石を警備から潜り抜けたら譲ってやろうということ。ただ、少しの試練を受けてもらうことが条件だということ。オーケーの返事は現場に来ること、という内容だ。
「それで、宝石は最近話題の白色に光るダイヤモンド」
「白色に光る?」
元から透明なダイヤモンドとはいえど、白色とはあまりにも普通のダイヤではないか?
そんな疑問を口に乗せれば、トラゾーさんは困った顔をして笑った。
「まあ確かに、もともとは透明か半透明みたいなものだけど……本当にライトみたいに白く光るんだってさ」
そんなダイヤモンド、想像もできない。
───ただ、これは挑戦状なのだ。きっと悪事を働いているに違いないだろう。もちろんダイヤモンドも高値で売れるならば欲しいに決まっている。
「「「行くか」」」
返事は、それ以外なかった。
……………
「……で、潜入するところをミスったと?」
決行当日の日である今日この頃、どうやら早速幸先が悪いようだ。
実際に潜入するところは裏手口の方だというのに、どうもせこせこと前から潜入してしまったらしい。
「ま、まあまあ! 帰る時は裏手口から帰ればいいし!」
トラゾーさんにしては珍しいなと思ったが、実際は違うんだろうなと考えると、僕やクロノアさんはそれ以上何も言わなかった。
「……」
ちらりとぺいんとさんの方を見るが、どうもツッコむ感じもなく、珍しいなと思った。
……………
「……ねえ、作戦では見晴らしの悪い場所で狙い撃つって話じゃなかったの?」
そんなとき、ボスの部屋まで来てぺいんとさんは言った。
ぎくり、と僕を含めた3人が難しい顔をする。
「……あー、ぺいんとには言ってなかったっけ? 見晴らしが悪いと狙撃するのに不利になっちゃうから……」
「そうなんですね」
クロノアさんがなんとか場を持ち堪えたらしく、僕たちは安堵の息をついた。
───そうして、ここから僕たちは無事にボスを倒し、2人1組でお宝を狙うこととした。
そんな僕のペアは───ぺいんとさんだった。まず僕に任せるのがおかしいだろうと思ったが、仕方がない。僕は全力を尽くすだけだ。
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