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『ねぇ…家で働かない?』
どうせあれも嘘だ。貴族は平気で嘘をつき使い物にならなければ裏切る。
(信用しない…信用しない)
ゴホッ…ゴホッ…
「…お金稼がないと 」
ここの環境じゃ死んでしまう。この場所を奴等にいつバレるかも分からない。飯も薬も用意できない。
ゴーン…ゴーン…ゴーン…
時計塔の鐘がなっている。時間だ。フードを深くかぶり出かける。
「急がないと…いってきます」
路地裏を出て急いで居酒屋の裏へと回り扉を開ける。
「おい、金は持ってきたか。納金の時間だ」
「…持ってきた」
「おい…金が少ねぇぞ」
「お前…俺等を騙してるのか」
ガッ
オーク共が怒りのまま殴ってきた。腹を頭を痛い。痛い。痛い。
「…げほ…それで全部だ」
「そういえば…奴隷商共がアクィラェ族を探してるらしいぞ」
「ふん…帰れ」
「見つけたら高値出売れるぞ」
(クソが)
奴等は路地裏に住まうやつらを奴隷商から守るためという名目で金を巻き上げている。逆らうやつは、殺される。それに、オーク共は力が生まれつき強く今のままじゃ勝ち目はない。
ガチャ
「…ただいま」
毎日これの繰り返し。クソがクソがクソがクソがクソがクソがクソが…
次の日、その次の日も盗みを繰り返し稼いできた。
今日は、遅くなっちまった。最近、思った以上に盗みづらくなってやがる。それに奴隷商がファイム族を探し回って路地裏まで来てやがる。ここ最近目星、子供も連れて行かれているから行動もしにくい。
「…ただいま…えっ…」
家が荒らされている。ベットは壊され布団に血がついてる。
「まさか…」
ベットの床に穴を開け今までの金をこっそりと集めていたはずなのに穴には一つも残っておらずなくなっていた。そんなことより…
「誰だ…誰だ…誰だ…クソが」
いそいで取り返さないと…殺される…だめだ
急いで居酒屋の裏へと回り扉を開け奴らのもとに行った。
バン
「遅かったじゃないか」
「ふん…」
「家を荒らしたのはお前たちだろ」
「それよりお前隠し事していただろう」
「この金貨どうしたのかな」
ドカッ…ドカッ
(…思いっきりみぞおち… くらった)
それは、こないだチビ貴族から盗んだ金だ。アイツは思った以上に金を持っていたからそのまま貯金していた。
『薬を買おう』
なのに、彼奴等は
「げほ…ぐはっ…金はやる…だから返せ」
「何をだ」
「弟を返せ…」
奴等は不気味な笑顔を浮かべた。
「…残念だがお前が俺等を騙した罰金として貰ったよ」
「ま…さか」
「お前、アクィラェ族だったらしいな」
(くっ…)
「お前の家を探して行ってみればガキがいたし、お前を探したら床から金が出てきたからな」
「嘘をついた罰だ」
「試しに奴隷商に渡したら大金が返ってきた。まぁ今から大金がまた手に入る」
ガハハハ…ワハハハ…
ガハハハ…ワハハハ…
彼奴等の醜い笑い声が響く。売られた…どうしよう…守れなかった…守りたかった…
「馬鹿なガキがよ」
「死ね死ね…死ね…死ね…」
怒りのまま奴らに殴りかかった。殴ったあと思いっきり噛みつく
「いい加減にしろ」
「…このガキ」
ドカッ…ドカッ…ドッ…
絶対に離さない。殺す。返せ…返せ…
「何を手こずっている。豚ども」
グサッ
仮面を付けたやつが急に後ろから現れ、剣で腕を刺した。
「うっ…」
(痛い…痛い)
「商人…こいつもアクィラェ族だ」
「売れるだろう」
「ふむ…お前も高値で売れそうだ」
「殺す」
「抵抗されたら困るから両手両足の腱を切っておこう」
(腕が痛くて…逃げられない)
「…抵抗したらあのガキと会えなくなるぞ」
バン
「そこまでよ」
多くの騎士が入っきた。その中で小さく真っ黒でひときわ目立つ紫の瞳…あの時のチビ貴族…
「…何しに来た」
「貴方をお迎いに来たの」
「は…」
「オークさんそのお金返してもらえる」
「なんだとガキ」
「そのお金はその子に私が投資したお金なの。だから取られては困るわ」
「投資…」
あの子はそこまで…なぜ自分にこだわる。盗むことしかないなんの役にも立たない孤児なのに…この人は…
「こんなガキ金にしかならない役立たずだぞ」
「あら…私はとっても気に入っているのよ」
「クソガキが…舐めんな」
オーク達は怒りのまま殴りにいった。だが…
ドン
「姫様お下がりください」
騎士たちに守られているチビには指一本も触れることができない。
「クソが」
「抵抗は辞めたほうがいいですよ。…それに、仮面の貴方…奴隷商を行い多くの子供達を誘拐した罪で逮捕します」
「勘違いなさってますよ…お嬢さん」
「残念ながら…証拠は出揃っております。ほんとうにうちのメイドは優秀な者で」
「…おいお前、そこのガキ共を殺せ 」
あれだけの行いをしたのに自分に向かって叫んでいる
「はあ…自分でやれ」
「殺さないと弟を殺すぞ」
「!」
「早く殺せ…お前もガキ共の二の舞にするぞ」
「…うるせぇ指図するんじゃねぇ」
ドバッ
「クハっ」
怒りを込めた瞬間、体の底から溢れ出る力を感じた。瞬時に身を纏うように青い火が現れ波のように奴隷商を包みこんだ。
「熱い…熱い…」
(殺してやる)
「…殺してはだめよ」
「なんだと…」
「殺したら…今のままでは罪に問われる…貴方が守りたいものは無事だよ」
「貴族は嘘つきだ」
「大丈夫だから私は嘘をつかない…ほらね」
ギュッ
自分自身炎に包まれているから…触れようとするとヤケドするはずなのにアイツは抱きしめてきた
「大丈夫…大丈夫」
「チッ」
怒りを収め冷静になると火は消えた。
「こいつの身柄を渡す…だから弟に会わせろ」
「うん。弟さんは無事だよ」
「自分の目で確認する…会わせてくれ」
「騎士の皆さん後は頼みましたよ…こっち」
無事で居てくれ…お願いだ。お願いだ。