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でもそこまでハゼがいる訳でもないようだ。
2匹目は、結構時間がかかった。
エサを付けて投げて、引っ張って確認して。
さらに確認して、エサが付いているか上げてみて。
それを何度か繰り返して、大体10分後。
やはり、彩香さんが釣り上げた。
「何か、川のあの流れのあるところと、緩やかなところの境目、あの辺で釣れたような気がする」
そう言うので、僕も同じようなところに投げてみる。
ちょっと遠目に着水したので、少し引いて場所を合わせて。
そのまま待ってみると、ふいっと糸が動いた気がした。
巻いてみると、やっぱりかかっている。
「本当だ。あの段というか、斜めになっているところがポイントかな」
2人で場所を少しずつ移動しながら釣っていく。
自転車にまたがりながら、川方向に竿を出して、ちょい投げて。
その繰り返しで移動していたら、対岸にさっきの場所が見えた。
既に先輩も亜里砂さんも移動していないけれど。
「どうする? 次に釣れたら、先輩に様子見がてらハゼを預けに行こうか。氷も大分溶けているし」
「そうだね」
次に彩香さんが釣ったのを機に、僕も仕掛けを巻いて。
リールを巻きながら竿を短くして、最後は針を自転車のカゴに引っかけて、リールを巻いて動かないようにして。
そして2人で、先輩捜しに出かける。
ここから上流方向は道と川が少し離れるから、行くなら下流方向かな。
そう思って、自転車を下流方向へ。
朝来た道を渡って下流方向に少し進んだ辺りで、先輩と亜里砂さんを発見した。
「取り敢えず、氷の補給と、ハゼをしまいに来ました」
「どうだ、調子は」
「僕が4匹、彩香さんが6匹ですね」
「極めて順調だな」
ちなみに先輩の持っていたクーラーボックスには、ぎっしりとハゼが入っていた。
「こっちも同じくらいかな。亜里砂が頑張っているしさ」
そんな訳で新しい氷と、念の為、餌の貝柱を2人でもう1個もらって、下流へ。
川を下って国道の橋まで来た所で、見覚えのある2人が手を振っているのが見えた。
国道の橋から、川のすぐ近くまで降りる階段があるようだ。
彩香さんと2人で行ってみる。
「ここは、お勧めなのですよ」
未亜さんが呼んでいた。
「自転車は、どうしたんですか」
「ちょっと重いけれど、階段の下に下ろしたのです」
真似して自転車を下ろして。
彩香さんにはちょっと重そうだったので、下ろすのを手伝って。
「ハゼだけではなく、色々面白いのも釣れるのですよ」
見ると、小さいしましまの魚とか、前にサッパと教わった奴とか、色々タッパーに詰まっている。
「氷を分けようか。そろそろ溶けきるでしょ、これ」
「ありがたいのです。でも、そろそろクーラーボックスに入れる方がいいのです」
確かにそんな感じだ。
「私が2人分のタッパーを持っていくので、美洋が釣ったりエサを取られた場合は、分けて欲しいのです」
「わかった。先輩はこの先、対岸の上流方向」
「ありがとうなのです。では、行ってくるのです」
未亜さんは自転車を押して階段を登って、そのまま走って行った。