テラーノベル
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深く繋がった日を越えて、蓮は本当に人間になった。いざ人間になると、戸籍もない、働くこともできない食い扶持が一人増えたことになる。蓮は初めて感じる空腹を楽しみ、腹を満たすことを覚え、着飾ることに興味を持ち、昼間は遊んで暮らしていた。
💚「蓮。このままじゃ俺、破産しちゃうかも」
🖤「ああそうか。お金、ないんだったね」
💚「うん……」
🖤「これで足りる?」
蓮は、どこからか持ってきた紙袋から札束を取り出して、無造作にテーブルに置いた。
💚「え。このお金、どうしたの?まさか…」
悪いことをして来たんだろうか?
まだ人間になって間もないから、常識も身に付いていないし…。悪い想像で青い顔をした俺を見て、蓮が笑った。
🖤「ケイヤクキンてやつ。俺、今度からテレビに出る人になる」
💚「えっ?えっ?」
蓮は、俺がアルバイトをしている間に、芸能事務所のスカウトを受け、契約をしてきていた。そして、手付金として、今まで見たこともないような金額を手にしていた。
🖤「テレビに出たら、もっともらえるんだって」
💚「すごい……」
🖤「だから、心配しなくていい。アルバイトも減らしな。俺、もっと亮平といたい」
屈託のない笑顔で蓮はそう言うと、俺をギュッと抱きしめた。思ってもみない展開に頭がついていかないが、どうやら破産は免れたらしい。
そして蓮は一年もしない間にまたたく間に生き馬の目を抜く芸能界でスターダムにのし上がり、俺は研究者として恵まれた環境で好きな勉強に没頭できるようになった。
月のない夜。
蓮が買ってくれた家の広いバルコニーの片隅で、人形時代に着ていたようなタキシードに身を包み、蓮が俺の脚元に跪いた。
🖤「亮平。俺と生涯添い遂げてくれますか?」
💚「はい」
蓮が薬指に嵌めてくれた指輪の石は、俺の大好きな美しい緑色をしていた。
おわり。
コメント
8件
すごい、めめあべ物語摂取できて幸せですー🥹💓 こういうファンタジー設定大好物過ぎてにやにやが止まらない😳 ありがとうございます🥹💓
シンデレラストーリーだわ。めっちゃすきーーー!🖤💚
幸せにしてくれて、ありがとう🙏😆 🖤の喋り方は元にんぎょうだから変でも全然大丈夫だと思うよ〜😊