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桜子とシオンは初めてLINE交換をしてから、毎日のようにメッセージのやり取りをしていた
今ではシオンにおける日々の生活を彼女は随分詳しく知っていた、彼はあけっぴろげで何でも桜子と共有したがった
彼の職場の書店に毎日来る、「虚言癖があるおじいちゃん」がいて「角島大橋から友達が海へ落ちたから、飛び込んで助けた」と大ボラ話に「さすがにそれは海猿」と彼がつっこんだとか
シオンのよく行くスーパーには猪の肉が置いてあるとか、彼が窓辺で種から育てたアボガドの苗が30センチになったこととか、猫を飼いたいけど日中一人にするのを可哀そうに思っていることとか・・・
週に5日は刺身を食べていることとか・・・「あの虹の彼方へ」を読んでから大どんでん返しのミステリー本ばかり読んでいてすっかり、ミステリーの面白さにハマって純文学からジャンル変更しようかと迷っていることとか
桜子は彼との毎日のメッセージやりとりで、すっかり彼のことなら何でも知るようになった、シオンは桜子の勧める小説を読むようになり、桜子は彼の好きなBOSSのコーヒーを飲むようにもなっていた
そして桜子は漫画原作企画もいいけど、やはりフロマックスの新作プロット作りに本腰を入れるために、他の営業職を全部断ったとメッセージに書いた
シオンからは「新作を読める日を一日千秋の思いで待っている」と返事が来た、やっぱり彼は純文学青年だと桜子は笑った
そしてそんなある日・・・
.。 .:・.。. .。.:・
「え?シオン君の書店が閉店?」
桜子は彼とLINE通話をしている時に彼の職場の閉鎖報告を聞いて驚いた、日本全国で相次ぐ書店不況の波がまずはこんな地方から来るんだと彼に同情した
「わぁ・・・シオン君・・・大変じゃない・・・次の仕事は決まっているの?」
『退職金も少しですけど貰えるし、しばらくはゆっくり執筆活動しようと思うんです、それで・・・』
以外にも彼の声は落ち着きを払っていた、きっとこうなることは何か月も前から予想していたんだろう
『店仕舞いが片付いたら、大阪に遊びに行こうと思うんですけど・・・桜子さん、よかったら遊んでくれませんか?』
桜子は歓迎すると言った
コメント
2件
書店の閉店😔残念だけど仕方ないかな🥺大阪で二人の関係に進展が?!
星キラリさん、第50話読みました。 桜子とシオンのLINE交換から始まったやり取り、お互いの日常が少しずつ染み込んでいく感じがとても素敵でした!シオンの「一日千秋の思いで待っている」は純文学青年っぽくて思わず笑顔に。それでいて突然の書店閉店報告と「遊んでくれませんか?」——この告白めいた流れ、ドキドキします。地方の書店不況というリアルな要素を入れつつ、二人の距離が縮まるきっかけにする構成が上手いなあと思いました。続きが気になります!