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ローマの後日談的なのです。
おまけなので見なくても害はありません。
GB「…ん」
窓から差し込む優しい光に、目が覚める。
久しぶりに悪夢を見なかったからか、よく眠れた。時計は5:30を指している。
此処まで心地の良い朝もまた珍しい。
GB「できるなら…ずっと此処にいたいですね」
階段を降りると、その音を聞いたのか一階からイタ王さんが顔を覗かせる。
IT👑「おはよーなんね、イギリス!」
そう満面の笑みで私に話しかけるイタ王さん。
GB「おはようございます」
やはりこの人の隣は落ち着く。 認められているような、救われるような…。
GB「それにしてもイタ王さん、起きるの早いんですね」
IT👑「そうなんね〜。io料理担当だから、早く起きて皆の分作ってるんだ〜」
GB「凄い…!」
イタ王さんが並べていくお皿の上には、ホットサンドと少量のパスタと野菜。なんとも美味しそうな出来栄えだ。
私も作れたらいいのに…。
GB(…というかイタ王さん、何時から起きてるんでしょう)
そう思いじっと彼の顔を見つめてみる。
IT🦅「おはよー二人とも」
GB「わぁ⁉︎」
GB(この国全く気配がしなかった…?)
少し驚いていると、吊り目の彼は微笑む。
IT🦅「気配消すのは得意技なんだ。驚かせちゃってごめん」
GB「い、いえ…」
イタリア家…強者揃いかもですね。
IT🦅「それと兄さん、今日は寝れた?」
IT👑「…もちろんなんね」
そう言いイタ王さんはまた笑う。普通な明るい笑みなはずなのに、どこか寂しげなその顔。
サロさんは気付いているのだろうか。それとも作り笑いをしている私だから感じられるのか。
IT🦅「…そう、ならいいけど」
フランスもきっと普段こんな風に感じていたのだろう。もっと完璧な作り笑いをしなければ。
ただでさえ迷惑かけて生きているのだ。少しは私も努力しなければ。
…そうだ。だから私は逃げているんだ。
現実から、フランスから、自分の醜さから。
なら早く…逃げなくちゃ。
IT👑「…大丈夫?イギリス」
GB「へぁっ…?」
急に声をかけられ、肩が跳ねる。
IT👑「ご飯できたよ、大丈夫?」
心配そうに揺れる、光のある瞳。美しい顔の造形を持つ彼に、よく似合う大きなオッドアイ。
私もこんな風に美しく産まれたかった。
フランスの隣にいても大丈夫なくらいに……。そうすれば、きっと私は私を好きになれた。
彼の容姿に見惚れていると、その容姿に似合う声が放たれた。
IT👑「…イギリス、今日空いてる?」
GB「え、ええ…」
GB(観光の予定はありますが…。まぁ…。)
IT👑「io今日出張でオスロに行くんね。だからよければ昼間観光案内をioがして、夜そのままオスロまで行かない?」
GB(二人で一緒に…ですか。確かに、イタ王さんがいれば観光も安心ですし…。)
GB「では、お願いします」
この人になら、甘えてもいいと。そう思えた。
そしてそのまま、珍しく食欲のある体で食卓についた。
「「「いただきまーす」」」
イタリアさんの元気な声に、サロさんの落ち着いた声。今日はそこに、私も加わる。
これこそが、私も見習うべきだった家庭の姿。
そう理解すると同時に、アメリカとカナダへの罪悪感で声が出なくなる。
此処に彼らはいない。そう分かっているのに。
少しずつ呼吸が浅くなって、苦しくなって_____
IT👑「大丈夫だから、そんな顔しないで」
上からあの、温かい声が聞こえた。それと同時に肩に手を置かれる。その手は細くて、長くて綺麗で。
IT👑「君の周りに今彼ら」はいないでしょ?」
…確かにそう言われればそうである。もう後悔しても遅いのだ。起こってしまった事実は変わらないし、変えられない。
なら、もう意味なんてない。どうせ私の家に帰ることも、フランスと過ごすことももうないのだから。
ならばもういいだろう。考えるだけ時間の無駄である。
朝食を食べ終え、部屋に戻って身支度をすます。本当はずっと此処に居たかったが、そんなことすればフランスに終末旅行していることがバレてしまう。結果オーライと思うことにしよう。
コンコン
小さな音を立てて鳴るドア。
GB「はーい、」
小さく返事をして、そのドアを開ける。キャリケースにほとんどの荷物が入っている状態。もう大丈夫だ。
IT👑「イギリス―っ!準備終わったんねー?」
元気で明るくて、かわいらしいイタ王さんの声。その声にこちらも自ずとテンションが上がる。
GB「終わりましたよー!行きましょう!」
イタリア家を出て、観光及び空港へ向かう。チケットはイタ王さんが用意してくれていた。
そうして、オスロ行きの文字を見る。確実に私は死へと近づいている。物理的にも…心理的にも。
イタ王さんはきっとそれを理解していて止めていない。わかっているんだ。止めることが無駄だって。
IT👑「大丈夫?イギリス、顔蒼いんね」
いつも顔が蒼い…体調が悪そうなイタ王さんには言われたくありませんが…。
GB「ええ、少し考え事を…。」
IT👑「だめだよ、考えこんじゃうの。苦しいでしょ?」
貴方だって苦しいはず____そんな本音を飲み込んだ。今の彼にはきっと届かない。
それより___甘えたくなってしまった。
GB「そう、ですね。……私は、確実に死へ向かっているんだなと実感しまして」
GB「本当に、良いのかなって…ポロポロ」
朝の人気のない電車に揺られながら、涙を流すイギリス。
その目の下には隈があった。
それを見越してか、イタ王さんが真剣な声で言う。
IT👑「イギリス___君には、まだ選択の余地がある。」
IT👑「君には死ぬ権利も____生きる権利もある。旅行中に生きたくなったら生きていけばいい。」
死ぬことも、生きることも許してくれる彼。その考えや、思想を言えるだけで彼が優しいことが分かる。
IT👑「焦らなくても、時間はあるよ。それに君が死ぬ選択をとっても_____すぐ、ioが___」
………最後のほうが聞き取れなかった。そう思い彼のほうを向くと、真っ黒な目が見えた。逆光のせいでは…ない気がする。
GB「……イタ王さん、?グスッ」
何とか絞り出した声を、彼の耳はとらえた。
IT👑「なぁに?」
そう言う彼の笑顔はいつも通り。赤と緑の瞳だった。…気のせいだったのだろうか。
暫くしてから、彼がふっと笑った。
IT👑「ioはもう、諦めちゃったから…。生きていたいと思えるイギリスは、それだけでえらいんよ。」
そうしてそのまま、フィレンツェの駅に二人降りて観光へ向かった。
France side
FR「…んねぇ、ナチス。」
FR「本当にイギはイタ王と一緒に居るの?」
卍DE「嗚呼、そうだな。…というかそれしか考えられない」
言い切った。赤い目がこちらを見ている。
FR「…わかったよ。準備していく。」
そう言い彼は荷物をまとめ、南へと歩き出した。
ねぎ_Y@絵チャきてね