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#鬱展開
Mist-404
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mogyumogyuGemi
646
能研本部・作戦会議室
静まり返る会議室。
大型モニターには、Az前哨基地から回収したデータが映し出されている。
タジが息を整えながら報告を続けた。
「暗号の解析率はまだ12%。」
「なお、この部分だけは完全に復元できた。」
画面には赤い文字が浮かぶ。
第一捕獲対象 一之瀬ソウヤ
生存状態で確保を最優先
結衣が思わず口を押さえた。
「生きたまま……。」
柚季も表情を曇らせる。
「どうしてソウヤだけ……?」
惣一は腕を組み、静かに考え込む。
「人格転移……。」
「奴らはあの能力に何か価値を見出している。」
ソウヤは画面を見つめたまま呟く。
「俺の能力に……。」
訓練場
その日の午後。
ソウヤは一人で訓練を続けていた。
何度も拳を振るう。
蹴りを放つ。
しかし、どこか迷いがある。
イレイダが訓練場へ入ってきた。
「珍しく一人か。」
ソウヤは振り返る。
「イレイダ。」
「俺……人格転移に頼りすぎてるのかな。」
イレイダは少し考え、木刀を肩に担ぐ。
「違う。」
「頼ってるのではない。」
「頼らなければ勝てない敵が出てきただけだ。」
ソウヤは黙って聞いている。
「だがな。」
「人格転移が使えない状況でも戦えるようになれ。」
「それがお前自身の強さになる。」
ソウヤは小さく頷いた。
「ああ。」
Az本部
地下最深部。
無数の培養カプセルが並ぶ巨大な研究室。
間宮トオルは一つのカプセルの前で立ち止まる。
カプセルの中には、一人の人物が眠っていた。
顔は見えない。
全身が液体に包まれている。
研究員が近づく。
「適合率は87%。」
「予想以上です。」
間宮は満足そうに微笑む。
「そうか。」
「なら、もう時間の問題だ。」
その時、通信が入る。
「間宮先生。」
「国連安全保障機構が我々の動きを調査しています。」
間宮は笑みを崩さない。
「放っておけ。」
「まだ計画には支障ない。」
「必要なら……。」
「消すだけだ。」
国連安全保障機構・日本支部
巨大な会議室。
複数の幹部が席に着いている。
その中央には、一人の壮年の男。
柊 聖舩(みちふね)。
日本支部長。
彼は机の上に置かれた資料を見つめる。
聖舩は静かに口を開く。
「均衡が崩れ始めた。」
部下が尋ねる。
「介入されますか。」
「まだだ。」
「今動けば世界は混乱する。」
彼は窓の外を見つめる。
「だが……。」
「”あの男”が動けば話は別だ。」
意味深な言葉だけを残し、会議は終了した。
能研本部・屋上
夜。
ソウヤは一人、星空を眺めていた。
(俺の能力……。)
(一体何なんだ。)
その時だった。
頭の奥で、静かな声が聞こえる。
「迷うな。」
ソウヤは辺りを見回す。
誰もいない。
「力は、使う者次第だ。」
「……。」
ソウヤは思わず口を開く。
「お前は誰なんだ。」
しかし返事はない。
風だけが静かに吹き抜けていく。
エピローグ
Az本部。
間宮トオルはモニターを見つめながら笑う。
そこには能研本部の監視映像が映し出されていた。
「準備は整った。」
彼はゆっくり立ち上がる。
「次は私自身が行こう。」
研究員が驚く。
「間宮先生自ら……?」
「相手が第一捕獲対象なら当然だ。」
白衣を翻し、研究室を後にする間宮。
ついに、Azの頂点が動き始める。
ソウヤを巡る戦いは、新たな局面へ突入する──。
第66話 完
コメント
1件
お疲れさまです、第66話読了しました。このタイミングで来たか…間宮トオルが直々に出てくる展開、ゾッとしつつも燃えますね。培養カプセルの適合率87%の眠ってる人物も気になるし、柊聖舩の「あの男」が誰なのかも。ソウヤが屋上で聞いた内なる声は能力の正体に関係してるんでしょうね。イレイダの「頼らなければ勝てない敵が出てきただけ」という台詞、すごく好きです。ここからどう成長していくのか楽しみ。