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翌日の朝学校ーー
教室に入って自分の席に向かうと既に隣には歌葉さんが来ていた。
千嘉「歌葉さん、おはよう!」
歌葉「お、おはよう」
千嘉「今日はお昼一緒にどう?」
歌葉「昨日も言ったはずだけど……私に構うと皆離れていくわよ?」
そう言われたけどやっぱり諦めきれないのだ。
千嘉「だって…歌葉さん絶対にいい人だもん!放っておくわけないよ」
歌葉「……いい人じゃないわよ…自分は逃げてばかりだから」
千嘉「そんなこと…… 」
歌葉「誰とも関わらないって決めてから1人になることに逃げてる」
千嘉「……… 」
何も言えなかった。
1人で生きることを決めたような歌葉さんにかける言葉は何も見当たらなかった。
千嘉(どうにか距離を縮める方法探さないとな)
昼休みーー
人との関わり方を勉強しようと図書室に向かうとそこには歌葉さんの姿が。
千嘉「歌葉さん…何読んでるの?」
歌葉「天空さん…これは恋愛小説です…名家の男性が自分の好きな女性と駆け落ちをして幸せをつかむストーリーです…シリーズものでとっても胸を掴まれるんですよ」
あれ?なんかすごい普通に喋れてる?
千嘉「そうなんですね……私あまり小説とか読まないからな……」
歌葉「そんなに難しくないストーリーなのでお勧めですよ…よくある定番のストーリーなので初心者でも楽しく読めますよ?私がそうだったので」
千嘉「え?もしかして歌葉さんってそんなに本読まない人だったの?」
歌葉「えぇ…この作品は前の学校で一番初めに話しかけてきた人からのお勧めだったので…読み始めたらハマってしまって…それに本を読んでると時間を忘れられるので」
なんか…普通に楽しく喋れてる!
こんなに本が好きな人初めて会った。
千嘉「あ、それならあれとか好きかも……」
私は本棚から1冊取り出し歌葉さんに渡す。
千嘉「私はあまり読まなかったけど…これも恋愛ものでね……兄が読んでた」
歌葉「へぇ…お兄さんがいるんですね」
千嘉「うん!今は大学生なんだ、奏功大学に通ってるの」
歌葉「奏功大学ってあの偏差値が高いところの?」
そう兄が通ってる奏功大学は偏差値が高く兄はその中でも上位10位内をキープしている。
妹の私から見ても秀才な人だ。
千嘉「その本…気に入ってくれたら嬉しいな」
少しでも歌葉さんに近づきたい。
少しでもこの人の好きなものを知りたい。
何でもいいから1つでも好きなものを知りたい。
同じになれなくてもいいから。
近くで笑い合いたい。
そう思っている自分がいる。
皆といるときより歌葉さんと一緒にいるときの自分の方が好きだ!
自然と仲良くなりたいと思えた人だし。
自然な笑顔を出せるから。
やっぱりこの人はすごくいい人なんだと思う。
物語でなら……仲良くなれそう!
ならやることは1つだ!
千嘉「私、先に教室戻るね!」
歌葉「え、えぇ……」
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教室に戻ってノートを取り出す。
千嘉「物語を書こう…それで渡して仲良くなるんだから」
物語の題名は『星のささやき』
天体観測が趣味の主人公と星のお姫様の物語
つまりは自分と歌葉さんの物語を書こうと思った。
友だち「千嘉何してんの?勉強?」
友だち「『これは星のお姫様のお願いを叶えるストーリー?』何これ?」
千嘉「あ、これは……そう!昨日読んだ童話のなかに出てくるキャラクターの過去を自分で想像して書いてるだけだよ」
友だち「千嘉は本当そういうの好きだね」
そう言われ愛想笑いを返す。
私と歌葉さんの物語だから他の人には見せられない。
絶対に秘密にするんだから。
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星姫『私を星に帰すお手伝いをしてくださいませんか?』
セイラ『どうしたら星に帰れるの?私にできることなら何でもするから』
星姫『あるものを探してほしいのです』
セイラ『あるもの?』
星姫『流れ星の欠片です…それが飛行船を動かす原動力になるんです…お願いします…この星で頼れるのは同じく星の名前を持つセイラ様だけです』
セイラ『私にしか……その流れ星の欠片だっけ?思い当たるところ一緒に探してみよう?』
天体観測が趣味のセイラと星に帰れなくなった星姫のちょっとした大冒険が今幕を開ける。
星姫『流れ星の欠片は水色で持ち主が近寄ると輝きを発します…ただ悪者の手にわたると大変なことが起こります』
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千嘉(なんかすごいファンタジーみたいになっちゃった)