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見上げた空には、巨大飛行機がゆっくりと旋回している。銀色の機体が赤く染まる空を背景に、不気味なほどに静かな存在感を放っていた。
「おい、見ろよ。あの機体、普通じゃないぞ。」
空港の外れにたたずむ青年、拓真は友人の亮太に指を差しながら言った。彼の声には、好奇心と少しの恐怖が混じっている。
亮太はスマホを片手に顔を上げる。「確かに……あれ、軍用機か?それにしては古臭いデザインだな。」
彼の言葉通り、その飛行機は現代のものとは異なり、どこか懐かしいレトロなフォルムだった。プロペラ式に見えるが、どれだけ目を凝らしても動いている様子がない。
突然、機体から何かが落下した。
「あれ、なんだ?」拓真が叫ぶ。
地面に落ちる前に、その物体はパラシュートを広げた。明らかに人間だった。
「誰か降りてきたぞ!やばい、来る!」亮太が慌ててスマホで撮影を始めた。
二人の頭上で、パラシュートが風に揺られながら徐々に降りてくる。やがて地面に着地したのは、全身真っ黒なスーツを着た男だった。顔は見えず、異様に整った体型だけが目立つ。
「あなたたち……ここで何をしている?」
低く響く声が二人の背筋を凍らせた。その瞬間、拓真と亮太は飛行機に関わることが自分たちの日常を大きく変える出来事になると悟ったのだった。