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番外編63『双子入れ替わり大作戦!』後編
① 楽器の二重奏
『最初はピアノとヴァイオリンです。私がヴァイオリンを。妹はピアノを演奏致します。』
お互い目を合わせ、手を動かす。
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『おぉ…なんて綺麗な音色だ…。』
『麻里衣様、素敵だわ…。』
『百合菜様のあの指の手つき…凄く美しいわ。洗練されてないと出せないものよ。』
『ぐ…っ。だがまだまだ1つ目。満足させるにはまだまだだな。』
② ダンス
『麻里衣様のお相手は私が。主様。お手を。』
『ありがとう、ルカス。』
『百合菜。力を抜け。俺がリードしてやる。』
『う、うん。』
曲に合わせてダンスを舞う。
(そう、上手よ、百合菜。)
『執事も主様おふたりも綺麗だから絵になるな…。』
『えぇ。本当ね…。』
③ 生け花
『2人で1つの生け花を生けます。百合菜。』
『うんっ。』
私と百合菜は呼吸を合わせ生け花を完成させる。
『流石双子だな。息がピッタリだ。』
『えぇ。主様達にしか出来ないことですね。』
④ ワインのブラインドテイスティング
『目隠しをして香りだけで当てたいと思います。』
『……そうね、これはトビリスの8年ものかしら。』
『お、お見事…っ!』
貴族の人が驚く。
『私のは…。分かりました。トビリス15年のものですか?』
『正解です!お二人とも流石ですね。』
⑤ 料理を作る
『私がメインディッシュを。妹はオードブルを作りますわ。』
用意された調理台を使い手際良く調理を始める。
『なんて素早い手つき…!』
『双子同士で助け合ってるわ。流石ね。』
『ぐぬぬ……っ。』
『完成しました。どうぞ、お召し上がりください。』
『…んっ!美味しい…。メインディッシュのこのムニエル…柔らかくてブラックペッパーとオリーブオイルの相性が抜群ね…。』
『こっちのオードブルはメインディッシュを引き立たせるように味を控えめにしてあるぞ。野菜本来の甘味を引き出す為に上手く調理されている。』
(っ、本当に美味い…っ。くそ、思いどおりになってたまるか…っ。)
こうして私達は残りの難題をこなし、ついに20個目に到達した。
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⑳ テーブルクロス引き
『大トリを飾りますはテーブルクロス引きです。この5段に積まれたワイングラスを落とさずに引きたいと思います。百合菜。』
『……っ。』
(どうしよう。練習でも何度も失敗したのに…。)
『…百合菜。』
『!』
『大丈夫。もし、倒れても、私が元通りにするわ。』
『お姉ちゃん…。っ、分かった。』
ぎゅうっとクロスを掴み、一気に引っ張る。
カチャンッ…。
『凄い……っ!』
『一つもぐらつかせずに…!』
『嘘…やった……っ!』
『おめでとう、百合菜。』
『うん!』
完成と拍手が私達を祝福する。
だが、それを良くないと思う人が――
(くそ…っ。こんな、こんなはずでは…っ!)
『貴族様、言われた通り無理難題をこなしました。これで私達がグロバナー家に仕えるに相応しいと認めていただけましたか?』
『っ、ぐ……っ。』
『流石だな。悪魔執事の主。だが…まだ足りないな。』
『『…!』』
『双子の実力は分かった。だが…』
その貴族は妹の百合菜を指差す。
『麻里衣様のことは探偵として力を示してることも知っている。武芸や知力に優れてる事も。だが……妹の百合菜様は何が出来るのかな?』
『っ、私は……。』
その貴族は妹に近付く。
『姉がいないと何も出来ない…無能な方ですか?』
『…!』
『……。』
『チッ。あのクソ野郎主様に…っ!』
ボスキが前に出ようとするのをベリアンが止める。
『ボスキ君。』
『べ、ベリアンさん…。』
『大丈夫です。主様なら。』
『でも……。』
『あと一つだけ追加しても宜しいですか?これを百合菜様一人でクリア出来れば…グロバナー家に仕えるに相応しいと認めてあげますよ。』
パチンッ。
指を鳴らして用意されたのは竹5本。
『『あれは…!』』
東の大地出身のハナマル君とユーハン君が目を見開く。
『『据物斬り…!』』
『ここにはイースト諸侯同盟の方も来ている。どんな大地の貴族の方も楽しませてこそ…グロバナー家に仕えるものとして相応しいと思わないですか?』
『……。』
『ボソッ。お姉ちゃん、私こんなの…』
『かしこまりました。では、これを妹が斬れたら…認めてくださいますか。』
『はい。約束しますよ。』
『では、それに相応しい服に着替えさせますわ。』
私は百合菜を連れて部屋に戻る。
『据物斬りとは…用意された竹5本を全て斬るという刀の試し斬りとして東の大地から伝わる伝統武芸です。洗練されてないと5本全て斬ることが難しいと言われている…。』
『それを百合菜がやれって言うのかよ…くそ、あの野郎主様に恥をかかせようとする気だな。』
コツコツ…。
部屋から主様が戻ってくる。
『……え?』
戻ってきた百合菜様は和装で腰には剣を添えていた。
『なぁ、ベリアン、今日は2人とも仮面をつけてたから周りの奴らは判別出来ねぇけど…あれは……。』
『えぇ、今あそこに立ってるのは…。』
私はみんなの方を向いて、しーっというジェスチャーをする。
『……!』
『皆様、お待たせしました。』
私は剣を抜いて息を吐く。
『すぅ……。はぁっ!!』
ザクッ!!
『……!!』
竹が一瞬で5本斬られ、下に落ちる。
『凄い一刀両断だ!!』
『百合菜様凄いです!!』
『ぐ、ぐぬぬ…っ!!』
『まさか、そんな…。』
私は2人の貴族の前に立つ。
『これで…宜しいですか?』
『く…っ。認めよう…グロバナー家に…これからも仕えるように……。』
『えぇ。もちろん。』
『流石お姉ちゃん……。』
『百合菜様!どういうことですか?』
『私とお姉ちゃんを入れ替えただけだよ。』
数分前
『大丈夫。私達は双子よ。他の誰にも気付かれないわ。』
『お姉ちゃん…。』
『仮面をつけていてよかったわね。演出の為だけど。』
お姉ちゃんはふふっと微笑む。
『作戦成功ね。百合菜。』
お姉ちゃんが私達の方に戻ってくる。
『主様!お疲れ様です。』
『凄いですよ、竹を一刀両断するなんて…。』
『剣捌きなら誰にも負けないわ。妹を侮辱するなんて命知らずよね……。』
私は剣を握り締める。
『…あ、主様落ち着いてください。』
『ふふ、大丈夫よ。そんなことしないから。…今はね。』
(今は……?)
数日後――
『『筋肉痛…。』』
お互い無理をしすぎたせいか筋肉痛になってしまった。
『おやおや…。』
『無理しすぎだっての…今日はゆっくり休め。な?』
『えぇ…。』
『うん……。』
ソファに倒れ込み執事に看病される。
めでたしめでたし…。
コメント
2件
お姉ちゃんめっちゃくちゃ優しい心がほっこりするお話でしたありがとうございます😊「ちょとお姉ちゃん貴族にお灸、、いや怒らせたらどうなるのか教えちゃってください!」
うわぁ、番外編の双子入れ替わり大作戦、最高でした…!🤍 お姉ちゃんが百合菜ちゃんを守るために代わりに竹を斬っちゃうところ、胸が熱くなりました。普段はクールなお姉ちゃんの「妹を侮辱するなんて命知らず」って言葉、重みがあって好きです。最後の筋肉痛で倒れてる姿も可愛くて、ギャップ萌え…! ぷちさん、素敵なエピソードありがとうございます🌙