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あれから膿爛、青瘀、噉相、散相、骨相を堕胎の形で産んだ。
堕胎をする度に身体が弱っていき、現在では1日をほとんど布団の中で過ごしているのだ。
今は最後の九相図である焼相を身体に宿している。
「その様子だと、今回の妊娠で死ぬかもね。」
「…そう、ですか。」
前世の記憶から最期に焼相を堕胎して死ぬのは察していた。
だが羂索の本体である脳を見るまでは死にたくない。
段々と強くなってくる痛みに耐えながら、死を回避する方法を考える。
「そういえば私って呪力があるんですよね?」
「少ないけどね。」
(ワンチャン呪霊になれるのでは?)
呪力が原因で死ぬと呪霊になることはできない。
焼相を身籠って堕胎したことが原因で死ぬことは、もしかしたら呪力と関係ある可能性は捨てきれない。
(近くに刃物は……あった!)
母体から直接取り出すためには私の腹を切る必要がある。そのために使うから置いてあったであろう刃物を取る。
「これで私を殺す気かな?」
そう言ってる羂索は相変わらず余裕そうだ。
「憲倫さんを殺すんじゃなくて…」
思いっきり自分の胸を刺す。
私は悲鳴を一瞬あげ、すぐに視界がブラックアウトした。
「あんなに少ない呪力でも呪霊になることってあるんだね。」
意識が朦朧とした中、声が聞こえる。
自分の身体を見ると人の形をしていなかった。
「え、成功した!?」
横を向けば、手に呪力を纏わせて興味なさそうに見ている羂索がいる。
「ちょっと待って、殺さないでください!!私も危害を一切加えないので!」
「弱いのに流暢に話せる呪霊は始めて見たよ。」